【トヨタ プロボックス/サクシード 新型試乗】ハイブリッド化でさらに扱いやすくなった…渡辺陽一郎

ハイブリッドを手に入れた「プロサク」

全般的にスムーズで、扱いやすくなった

商用なら5~6年で差額を取り戻せる

トヨタ プロボックスハイブリッド
トヨタ プロボックスハイブリッド全 12 枚

ハイブリッドを手に入れた「プロサク」

トヨタの『プロボックス』&『サクシード』は、今では珍しいボンネットを備えた商用バンだ。荷室の広さは『ハイエース』などのワンボックスバンにかなわないが、水平基調のボディは視界が良く、視線の位置が低いから背の低い障害物も発見しやすい。ボンネットが少し視野に入るから、車幅やボディ先端の位置も分かりやすい。

このように商用バンは運転感覚が親しみやすいため、荷物を積まずに営業活動に使われたり、長距離を走ることも多い。そこでハイブリッドを追加した。

全般的にスムーズで、扱いやすくなった

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド

ハイブリッドシステムは『アクア』や『シエンタ』と同じ1.5リットルエンジンをベースにしたタイプで、駆動用電池が充電された状態であれば、モーター駆動のみで発進する。モーターは力強く加速も滑らかだが、遮音が不十分だから、発進後にエンジンが始動した時は少し騒がしい。

それでも巡航中にアクセルペダルを踏み増した時など、モーターの駆動力が素早く立ち上がってエンジンの駆動力を支援する。走りが全般的にスムーズで、扱いやすくなった。

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド

操舵感には古さを感じる(プロボックス&サクシードの発売は2002年に遡る)。ハンドルを回し始めた時の反応も曖昧で、車両の向きが変わりにくい。

もっともこれを機敏にすると、挙動の変化も大きくなって、別の不満が生じるだろう。操舵感から安定性まで幅広く高めるには、プラットフォームから刷新せねばならない。そこまで考えると、現状でも走りのバランスは取れている。

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド

商用なら5~6年で差額を取り戻せる

そして価格が割安だ。『カローラ』やシエンタでは、1.5リットルハイブリッドの価格上昇を約35万円としたが、プロボックス&サクシードは、オートエアコンの装着も考慮すると実質25万5000円でハイブリッドが搭載される。前述の遮音を省いた代わりに、価格の上乗せも安く抑えた。

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド

ガソリン価格が1リットル当たり145円、実用燃費がJC08モードの85%で計算すると、25万5000円の実質価格差を燃料代の差額で取り戻せるのは10万kmを走った頃だ。商用車なら5~6年で達成することもあるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★

トヨタ プロボックスハイブリッドトヨタ プロボックスハイブリッド

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  2. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  3. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  4. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  5. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  6. トヨタ『スターレット』復活! 2026年デビューか?
  7. アントレックスが折りたたみ電動スクーター『MK114』発売へ、軽自動車にも積載可能
  8. 三菱『エクリプス クロスPHEV』は、新しい毎日に踏み出せる「今の時代、最強の1台」だPR
  9. トヨタ『ハリアー』が今夏ビッグマイチェン!? 「ハンマーヘッド」デザイン採用か
  10. その差は歴然!? 見た目は同じでもカロッツェリア・サイバーナビ AVIC-CQ912 ll → lll の進化は凄かった
ランキングをもっと見る