動くからって油断大敵、あなたのバッテリーは大丈夫?…交換してまたびっくり!

【バッテリー交換してみた!】動くからって油断大敵。そのバッテリーは大丈夫?
【バッテリー交換してみた!】動くからって油断大敵。そのバッテリーは大丈夫?全 1 枚

クルマの重要なパーツであるバッテリー、ちゃんとチェックしていますか?今は問題なく動くから大丈夫という判断は凄く怖い。今回は日々デモカーに乗っていて、ちょっと異変を感じた筆者がバッテリー交換をしてみた!という企画。皆さん、恐怖は目の前かも知れませんよ。

バッテリーの突然死を経験したことありますか?

バッテリーが放電しきってしまうと何が起きるのか、これは単純にエンジンを点火するセルモーターが動かないのでエンジンが始動できなくなるということ。その場合の対処法として、バッテリー同士でジャンパーケーブルを使って接続しながらセルモーターを回すか、最近ではバッテリーに接続出来るモバイルバッテリー的な製品も販売されていたり、あとはロードサービスを呼んで対応してもらうという方法もある。そして走っていればバッテリーは充電されるので、その後も問題無く使える場合があるのだが・・・これに騙されてはいけない。そして騙された筆者の体験談とは。

数年前、1週間ほど西日本へ取材に回ろうと計画して、前日にタイヤ点検やオイル交換を済ませ準備万端で出発しようとクルマに乗り込むと、セルモーターは回るのだが凄くゆっくりでエンジン点火に至らない。昨日までは普通にクルマは動いていたのに・・・と思いながら何度もやっているうちにほぼほぼセルモーターすら回らなくなり、あ~バッテリー上がっているなと思って、任意保険に付帯しているロードサービスを呼ぶことにした。

程なくロードサービスが到着してジャンパーケーブルを繋げた状態でセルモーターを回すとすぐにエンジン始動。10分ほど経過した後に一端エンジンを切って再始動すると問題無くエンジンがかかる。それを見てロードサービスの人も“大丈夫ですね。ただバッテリーが弱っていると今回みたいになるので近々交換を検討した方がいいですよ。これで失礼します”と帰って行く。“交換を検討かぁ、でも普通に動くしねぇ。まー大丈夫だろ!”という軽い考えで取材へ出発し、400キロほど走った所にあったサービスエリアで初の休憩。時間は21時頃で辺りは当然真っ暗だが、ガソリンスタンドのライトに誘われて目の前に駐車、そして駐車した途端に異変が起きた。

記憶が曖昧になるほどの衝撃的な出来事。

あまりの出来事でハッキリとは覚えていないが、脳裏に焼き付いているのはヘッドライトが芸能人の記者会見みたいに“バシャバシャバシャ!”とフラッシュの様に目の前で連射され、エンジンも“ストンッ”って感じで停止。ナビを含む電装品も全て消灯してしまった。シーンと静まりかえった車室内でボーゼンとしていると窓をトントンと叩かれ、見たらガソリンスタンドの店員さんが“大丈夫ですか?”と声を掛けてくれてピットで点検をしてくれることになり、ギアをニュートラルに入れてからクルマを押してガソリンスタンドへ入庫。とりあえずバッテリーを外して充電器に接続しながら様子をみたが、装着していたバッテリーは機能を全く果さず、規定電圧まで充電されないバッテリーとなっていた。たまたま同じ大きさのバッテリーに在庫が無かったので街中の系列店まで取りに行ってくれた店員さんには感謝感謝。もしこれがサービスエリアではなくてパーキングエリアだったら、もしガソリンスタンドが閉まっていたら、自宅から遠く離れた場所で歩いて帰れるはずもないし、ロードサービスを呼んでも運ぶ場所すら無く、宿泊場所すらままならない状況。今回は“たまたま”対応出来たが、いつもそうとは限らない。それからはバッテリーには日々気を付けようと心に誓うのである。

そして今回の異変はどこで感じたのかを書いてみる

今年に入ってからエンジンをかけるときのセルモーター音が少し変わったことを感じたのだ。冬場なので寒さの影響もあるかも知れないが、始動時に『キュ~~~~~ルキュルキュルキュルッ』と間延びするように。そしてしばらく走った後に再始動すれば『キュ~ルキュルキュルキュルッ』と間延びがなくなり勢いよく回る。これは来たな、バッテリー交換の時期だなと過去の経験を踏まえて二度と悲劇が起こらない様にバッテリー交換をすることにした。

しかしバッテリーと言っても調べれば、各社から色々な製品が販売されていて値段もバラバラな状況。ハイブリッド車対応やらアイドリングストップ車対応、輸入車対応など、どれを選べば良いのかイマイチ分からない。各社のHPを見ればバッテリーの適合表があるので自分のクルマ用がどの大きさなのかは分かるのだが、それ以外の性能については製品紹介を読むしかない。ハッキリ言って性能をちゃんと理解して選択することは難しいだろう。だって全部の製品で良い事が書いてあるし。●年●万キロ保証とうたっている製品が多いので、その中から長い期間の長い距離数を保証してくれる製品、そして価格的に安い製品を買えば一番お得な気になってしまう。それも間違いでは無いとは思うが、過去の取材経験から自分が注目する性能部分も含めた製品選びを行ってみた。

筆者が注目した数値“CCA”ってなに?

バッテリーの性能表示にCCA(コールド・クランキング・アンペア)という数値があって、簡単に言えば数値が大きい程に内部抵抗が低く、バッテリーからの電気出力が大きくなり、逆にオルタネーターからの充電も内部抵抗が低いので早くなる。筆者の車はオーディオデモカーなので通常のクルマよりも電気使用量も多いし、安定した入出力は確保したいのでこの数字にこだわってみたのだ。

ただ、このCCAがバッテリーの性能全てを示す物ではない事はお伝えしておく。各社様々な技術を使ってバッテリー性能をアピールしているので自分に何が必要なのかを考えて製品を選んで欲しい。

思ったよりも困難だったバッテリー選び

自分でCCAに注目して製品を選ぶと決めても思いのほか難航した。探しているとバッテリーには液式・ドライ・リチウムがあって、まずリチウムは価格が高いのと実績がまだ少ないので除外。となると液式かドライになるのだが、市場価格的にはほぼほぼ同金額。あまりに安い物は怖いので候補から外していき、その後でCCAを見てみるとドライの方が数値の高い製品が多いので各社を比較してみる。書いてある製品紹介、CCA数値、保証期間や距離、ブランドイメージでじっくりと吟味した結果、今回はボッシュから発売しているBLACK-AGMシリーズに決めて購入した。

製品が届いたらさっそく取り付けるのだが、取り付け自体はそれほど難しくはない。安全を考慮すれば感電防止に台所などで使うゴム手袋をした方が良いだろう。そしてバッテリーは非常に重いので、無理な体勢で交換はせずに力の入りやすい安定した場所で必ず行おう。万が一にもボディーに落としたら・・・確実にクルマは傷ついて凹みます。

エンジンルームを開けてバッテリーに接続されている“+”と“ー”を外すのにスパナかモンキーレンチがいるのだが、最近では百均でも取り扱っているので比較的手に入りやすい。外す時には端子を締めているナットを緩めて“ー”を先に外してから“+”を外し、新しいバッテリーに入れ替えたら“+”を接続してから“ー”を接続、そしてナットを十分に締めるで完了だ。間違っても“+”と“ー”を同時に触らないように!12Vなのでかなり強いビリビリ感というレベルだが、かといって気持ちの良いものではない。ちなみに筆者、つい最近に100Vで感電して身体が震えるほどの衝撃を受けた。具合が悪くなるので絶対に“+”と“ー”は同時に触らないようにしよう。

それと使い古したバッテリーの処分だが、最近はネットで購入しても購入店舗が引き取ってくれる場合もあるし、自動車修理工場や廃品回収業者が1,000円前後で引き取ってくれる場所もあるのでそれほど苦労しないはずだ。当然ディーラーや量販店で買えば製品代+工賃+廃棄代で請け負ってくれるので、自身で交換するのが不安な時には素直にお願いするのも良しだ。

新品のバッテリーに変えて何が変わる?

バッテリー交換を完了させ、いよいよエンジンを始動する。そしてその効果はすぐに分かり、セルモーターの音が『キュルキュルキュルキュルッ』と間延び無く勢いよく動いてくれる。それだけでも気持ちよかったのだが、ふと流れてきたオーディオの音にとても大きな変化を感じた。たまたまいつもテンションを上げたい時に聴く某ビジュアル系バンドの曲が流れてきたのだが、その迫力が驚くほど変わっている。アタック感が増してグイグイと前に出てくる感覚。ヴォーカル・ギター・ベース・ドラムの各楽器がより明確で立体的に表現されていてリアル感が凄い。思わずボリュームを上げて自宅駐車場でテンション上げてしまうほどの変わり様だ。冷静になっていつも試聴に使う音源も聴いてみたが、やはりバッテリー交換の効果は高く、細部の表現力も含めて音の質が上がっているのを感じて改めて自分のクルマが心地よい空間に変化してくれていた。

クルマにとって電気は非常に重要な要素で、それを担うバッテリーという存在を無視してはならない。クルマ以外にもスマホやパソコンなどの充電に使う人も多いと思う。筆者のようにバッテリーの突然死を経験しないように、せめてエンジン始動時のセルモーターの音には注意して欲しい。メーカー保証も重要なのだが、普段の使い方によっては保証期間内であっても不具合は発生する。嫌な思いをしないためにもセルモーター音に勢いが無く間延びするようであれば要交換検討だ。

【バッテリー交換してみた!】動くからって油断大敵。そのバッテリーは大丈夫?

《藤澤純一》

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