日産の次世代電動クロスオーバー『IMQ』、340馬力モーター搭載…ジュネーブモーターショー2019

モーターは最大出力340hp、最大トルク71.4kgmとパワフル

日産の新デザイン言語をフロントマスクなどに導入

ドライバーが見えないものを可視化する未来のコネクテッドカー技術、「I2V」を搭載

日産 IMQ コンセプト
日産 IMQ コンセプト全 19 枚

日産自動車の欧州部門は3月5日、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2019において、日産『IMQコンセプト』(Nissan IMQ Concept)を初公開した。

IMQコンセプトは、日産の次世代クロスオーバー車を示唆したコンセプトカーだ。車名の「IM」には、日産が掲げる「インテリジェント モビリティ」を具体化するもの、という意味を込める。

モーターは最大出力340hp、最大トルク71.4kgmとパワフル

IMQコンセプトは、先進の技術とデザインを採用した。パワートレインは「e-POWER」で、「マルチモーターAWD」を搭載する。欧州の小型クロスオーバー車の概念を超えたエクステリアや技術を追求。日産のクロスオーバーセグメントにおけるリーダーシップを反映しているという。
日産 IMQ コンセプト日産 IMQ コンセプト
e-POWERシステムは、発電専用のガソリンエンジンに、発電機、インバーター、バッテリー、電動モーターを組み合わせる。ガソリンエンジンは発電にのみ使用され、常に最適な速度で作動する。これにより、従来の内燃エンジンと比べて、より優れた燃費と低排出ガス性能を可能にする。IMQコンセプトでは、モーターが最大出力340hp、最大トルク71.4kgmを引き出す。発電専用のエンジンは、1.5リットルのガソリンターボだ。

日産の新デザイン言語をフロントマスクなどに導入

IMQコンセプトのボディサイズは全長4558mm、全幅1560mm、全高1940mm。欧州のCセグメントクロスオーバー車に属する。日産はIMQコンセプトで、日産のデザイン言語の新しい方向性を示した。フロントには、新たな「Vモーショングリル」を採用。グリルはボンネットフードに対して垂直に、フロントバンパーと水平に融合して、力強い表情を作り出す。

リアのデザインには、日産の「ブーメラン」ランプクラスターの新しい方向性を表現する。ワンピース構造のテールゲートが、リアフェンダーの下に収まっているのが特徴だ。
日産 IMQ コンセプト日産 IMQ コンセプト
足回りには、ブリヂストンの「コネクトタイヤ」と22インチアルミホイールが装着された。コネクトタイヤは、グラフィカルなユーザーインターフェースを通じて、ドライバーに情報を伝える。送信されるデータは、タイヤの荷重、空気圧、温度、グリップレベル、摩耗状態など。これにより、IMQコンセプトは、車載制御システムを自動的に調整できるという。

インテリアは、現代の技術と融合した日本のデザインを表現した。IMQコンセプトのドアは観音開きで、独立した4個のシートを備えた未来的で広々とした空間が広がる。インストルメントパネルは、「グライディングウィング」デザイン。センターコンソールが、前席から後席にかけて、車体中央を貫く設計とした。

フルデジタルコクピットは、インストルメントパネルに840mmの大型ディスプレイモニターをレイアウトする。センターコンソールには、小型のディスプレイを配置した。これは、IMQコンセプトの仮想パーソナルアシスタントとして機能。ドライバーからの要求に応じて、ナビゲーションなどの車両機能を制御する。
日産 IMQ コンセプト日産 IMQ コンセプト
ステアリングホイールは、ドライバーをリラックスさせ、インストルメントパネルの視認性を最大限に確保するように、人間工学を導入して設計された。ソフトタッチのパドルシフトが組み込まれている。

IMQコンセプトには、先進運転支援システム(ADAS)の「プロパイロット」を搭載。市街地や高速道路において、ドライバーを支援する。車両には複数のセンサー、レーダー、カメラが装備されている。

ドライバーが見えないものを可視化する未来のコネクテッドカー技術、「I2V」を搭載

リアルとバーチャルの世界を融合し、ドライバーが見えないものを可視化する未来のコネクテッドカー技術、「I2V」(Invisible-to-Visible)を搭載する。I2Vは「SAM」(Seamless Autonomous Mobility)とプロパイロット、室内センサーがセンシングした情報を統合する日産独自の「オムニ・センシング」技術を活用。車両が走行している交通環境はSAM、車両の周囲はプロパイロット、車内環境については室内センサーがリアルタイムに把握し、I2Vに不可欠な全方位の情報収集を行う。
日産 IMQ コンセプト日産 IMQ コンセプト
I2Vは車両の周囲360度にバーチャル(仮想)スペースをマッピングし、道路状況や交差点の見通し、道路標識や近くの歩行者などに関する情報を提供する。室内の乗員の状況もリアルタイムに把握し、何かを探す、目を覚ますためにコーヒーブレイクを取るなど、乗員に必要なサポートを予測して提供する。

また、I2Vは人々が自由に交流できる仮想世界のメタバースにもつながり、ドライバーや乗員を仮想世界で活動する人々とつなげることができる。そして、家族や友人などが3DのAR(拡張現実)アバターとして室内に現れ、ドライブに同乗したり運転をサポートしたりすることも可能にする。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る