【フォーミュラE】マッサ「F1とは全てが違う。誰にでも勝つチャンスがある」ヴェンチュリー ドライバーインタビュー

フェリペ・マッサ選手(右)とエドワルド・モルタラ選手
フェリペ・マッサ選手(右)とエドワルド・モルタラ選手全 14 枚

3月10日に開催される、フォーミュラE第5戦香港E-Prix。大手自動車部品メーカーのZFは、モナコに拠点を置くヴェンチュリー・フォーミュラEチームと2016年からパートナーシップを組んでいる。5シーズン目となる今季はマシンが「Gen2」と呼ばれる第2世代に切り替わった。モーターの出力は200kWから250kWへとアップし、ほぼ倍増したバッテリー容量によりレース中のマシン乗り換えもなくなっている。

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ドライバーは、F1を引退したフェリペ・マッサ選手と2年目を迎えるエドワルド・モルタラ選手。フォーミュラE初参戦となるマッサは、前回メキシコシティGPで8位入賞、初のポイントを獲得した。モルタラも経験を活かし、着々とポイントを重ねている。本戦に先駆け、2人に話を聞いた。

マッサ「忘れちゃいけないのはバッテリーのマネジメント」

----:今シーズン4戦を終えて、チームの調子も上がってきたように思います。フォーミュラEには慣れてきましたか?

マッサ:フォーミュラEに関して言えば、経験がものをいうレースだ。車の運転の仕方もそうだけど、トラックも他にはない難しさがある。でも忘れちゃいけないのはレース中のバッテリーのマネジメント。初めて参加するレーサーはそこを見誤ってしまうんだ。

----:ドライブ・バイ・ワイヤシステムは良いと思いますか?

マッサ:うん、そう思うよ。でもチームにとってはチャレンジだね。ブレーキの仕方は違うけれど、技術的に良くなってきていると僕は思ってる。

ヴェンチュリー・フォーミュラEチームヴェンチュリー・フォーミュラEチーム-----:フォーミュラ1とフォーミュラEの違いは?

マッサ:運転の仕方も違うし、バッテリー、トラック、エアロダイナミクス、もうすべてが違う。でもあえて言うならフォーミュラEには誰にでも勝つチャンスがあるという点かな。トップと最下位の差は1秒あるかないかで、毎年違う人が勝つことができる。フォーミュラ1は1人か2人の同じレーサーが毎年勝っているだろう? それが一番の違いかな。チャンピオンになるということの素晴らしさをフォーミュラEは教えてくれるんだ。

-----:マシンの技術的な違いは?

マッサ:フォーミュラ1はすごく強いトルクを必要とするんだ。フォーミュラ1は1000馬力近く出るけど、フォーミュラEはそこまでのパワーはない。でも、フォーミュラEもフォーミュラ1のようにエキサイティングなレースにはなれると思うよ。フォーミュラ1は、チームにとって新しいものを開発する機会で、だからこそものすごくお金がかかるんだけど、フォーミュラEはそうじゃない。

フォーミュラEではストレートへのアプローチがとても早く感じるんだ。タイヤのグリップ、ブレーキ、トラック、そういうものがすべて合わさって、このフォーミュラEをチャレンジングなものにする。それが一番の技術的な違いかな。ブレーキの瞬間を誤ってしまえば、コースから外れてしまうかもしれないし、対戦相手を抜いたり抜かれたりするスリル、そういうのをファンは楽しみにしているんじゃないかな。

フェリペ・マッサフェリペ・マッサ----:ファンの違いもあると感じますか?

マッサ:期待度や温度感は違うね。フォーミュラEはまだ5シーズン目だから、これからもっとたくさんの人を引き付けることができる可能性があると思う。去年チューリッヒでレースした時には10万人のファンが道で観戦してくれていたんだ。フォーミュラ1にはものすごく長い歴史がある。新しいファンだけでなく、フォーミュラ1のファンも取り込めたらいいね。来年は日本でレースをしよう! 日本にはたくさんのファンがいるし、規制やルールのハードルが高いのは知っているけどきっととても良いものになると思うよ。

----:良い結果を残すための課題は何ですか?

マッサ:予選通過は僕にとっては普通なんだ、自分の力を最大限まで発揮する。レースではたくさんの予期しないことが起こる。それは僕が原因ではなくて、レース中に起こる機械的なことや環境的なことが原因だ。でもそれがレースだと僕は思ってるし、今回のレースではそういうことが起こらないように気を付けて、効率的に、いいポジションを獲得できたらと思っているよ。

モルタラ「今大会はチームにとっての新たな試練」

----:前回のレースでは3位獲得、おめでとうございます。予想通りの結果でしたか?

モルタラ:ありがとう。そんなことはないよ。今は……、何というか、上り坂の途中なんだ。機械的なたくさんの困難があったし、このレースに参加できるということに自分でも驚きを感じている。まだ修正しなければいけない課題もあったからね。今はやっと“普通”の状態になったからパフォーマンスもなかなか良い状態だし、マシンも改良されていい方向に向かっていると思っているよ。このレースで僕たちは良い結果が出せると信じている。

----:Gen2マシンと今までの車の違いは?

モルタラ:違いは顕著だよ。電動パワートレインの変更でギアボックスも、サスペンションも改良されて、全く違う車だね。コンピューターに制御されているからブレーキのかけかたも異なるし、運転の仕方を変えなければいけなかった。でも調整を重ねたおかげでエンジンの調子もいいし、マシン的には良好だと思っているよ。

ヴェンチュリー・フォーミュラEチームヴェンチュリー・フォーミュラEチーム----:ほかのドライバーは普通のレースカーとだいぶ異なる今回のマシンに戸惑っていると思うのですが、そのあたりはいかがですか?

モルタラ:うん、全然違うよ。温度もそうだし、レースドライブは一言でいうとパッケージなんだ。このような世界トップレベルのレースではテクノロジーが非常に大切。車自体のコンディションというのは特に今大会では重要で、少しだけフォーミュラ1に似ているんだけど、マシンが良いだけでは勝てないんだ。また、今大会はチームにとっての新たな試練で、フロントランナーでいるということ(1位でいるということ)や結果を出すということの難しさも感じているよ。

エドワルド・モルタラエドワルド・モルタラ----:マシンやドライバーが良いだけでは勝てないということですが、勝利のために気をつけていることは何ですか?

モルタラ:レースはパッケージで、他人の言うことを聞かなかったり小さな機械音を聞かなかったりすると結果はついてこない。メンテナンスクルーとのコミュニケーションも大事だね。

----:Gen2マシンに移行したことでドライビングにも影響がありましたか?

モルタラ:確かに影響は及ぼしているよ。運転の仕方の違いでいえば、ブレーキの使い方やトルクの与え方を変えたりしている。コンピューターのソフトが改良されたら、その度にドライビングも変える。そういう点でいえば、今回は試練なのかもしれないね。

----:モルタラ選手はマカオのキングと呼ばれていますが、今回はどうでしょうか?

モルタラ:アジアのレースではヨーロッパのレースと比べていい結果が出せることが多いので、今回もその恩恵にあやかることができるといいと思っているよ!

《取材協力:ZF》

《吉田 瑶子》

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