平成とともに去りゆくパジェロ 三菱自、国内向け生産・販売終了へ[新聞ウォッチ]

三菱パジェロ現行
三菱パジェロ現行全 3 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。

激動の「平成」時代も残り1週間で幕を閉じようとしているが、どうも穏やかな気持ちで「令和」という新しい時代を迎えられそうにないのが日産自動車と仏ルノー、そして三菱自動車の「3社連合」だろう。

東京地検特捜部は会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕の前会長のカルロス・ゴーン被告を追起訴。現時点で新たな立件の予定はないとみられることから、金融商品取引法違反も含めると今回で4回目の起訴となり、一連の不正事件は大きな区切りを迎えたことになる。

きょうの読売は1面トップで「ゴーン被告4件目起訴、東京地検、捜査に区切り」と報じたほか、日経なども「特別背任罪、捜査は終結へ」などと取り上げている。

そうした中、日産と連合を組む仏ルノーが、今月中旬までに両社の経営統合を日産に提案していたという情報が飛び込んできたことから、ゴーン被告の追起訴よりも大きな記事となっている。朝日が「ルノー、日産に統合提案 スナール会長の意向」、日経が「ルノー、統合を再提案、日産拒否、対等主張へ、連携強化遅れ懸念」などと、朝日と日経が1面トップで報じたほか、他紙も1面や経済面で取り上げている。

記事によると、ルノーのジャンドミニク・スナール会長の意向として、日産の西川廣人社長兼CEO(最高経営責任者)に伝えられたという。朝日は「日産との提携関係の強化に向けて友好的な姿勢をとってきたルノーが態度を一変させた形で、両社の緊張が再び高まるのは必至だ」とも伝えている。

また、ルノーは、ティエリー・ボロレCEOを日産の取締役とすることや、日産の最高執行責任者(COO)以上のポストにルノー出身者を就任させる案も提案したという。カルロス・ゴーン前会長の逮捕後、ルノーによる統合提案が表面化するのは初めてのことだが、傘下の三菱自動車と足並みを合わせながら日産側がどこまで拒否を続けられるのかが注目される。

三菱パジェロ初代(1982年)三菱パジェロ初代(1982年)三菱自動車は、ゴーン被告の会長職は解任したが、6月の株主総会までは取締役を続投中であり、ゴーン被告の処遇についても温度差がある。その三菱自動車が一世を風靡したSUV(スポーツ用多目的車)の『パジェロ』の国内向け生産を終了するとの報道もある。一部改良した特別仕様車を近く発売するが、次のモデルは開発しないという。

ただ、海外で人気があり、輸出向けの生産・販売は続けるそうだ。パジェロは1982年に発売され、昭和から平成にかけてのRV車ブームの火付け役として人気を集めた。近年は燃費が良くないことなどから販売が振るわず、現行モデルの国内販売は1000台を下回って苦戦していた。平成とともに去りゆくのも淋しさとともに時代の流れを痛感する。

2019年4月23日付

●ゴーン被告、4件目起訴、特別背任、オマーンルート、東京地検、捜査に区切り(読売・1面)

●ルノー、経営統合提案、今月中旬、日産は拒否の方針(読売・1面)

●ゴーン事件から見えたもの、論点スペシャル(読売・13面)日産自動車の臨時株主総会(4月8日)日産自動車の臨時株主総会(4月8日)

●パジェロ、国内向け生産終了へ(朝日・9面)

●トヨタ、中国で燃料電池部品供給(朝日・9面)

●痛めた足で運転、運動能力低下一因か、池袋暴走(毎日・29面)

●運転操作ミスか、神戸バス暴走、健康状態問題なく(毎日・29面)

●ガソリン値上がりも、イラン原油禁輸(産経・11面)

●G20阪神高速を封鎖、大阪、6月27日から4日間(産経・24面)

●この人・ヤマハ発動機初の女性事業部長、江頭綾子さん(東京・3面)

●女性役員「30%クラブ」来月始動、上場12社が参加表明(日経・15面)

《福田俊之》

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