【アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル 試乗】SUVだからこそ、本質が赤裸々に表現された…渡辺陽一郎

アルファロメオらしさを味わえるSUV

『ジュリア』と同じ価値観で開発された

38万円安い戦略的価格のディーゼル

アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル
アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル全 8 枚

アルファロメオらしさを味わえるSUV

日本の自動車メーカーは規模も大きく、さまざまなカテゴリーの車種をそろえる。日産であれば、軽自動車の『デイズ』からスーパースポーツカーの『GT-R』まで価格も含めて幅広い。そうなると全車に共通する持ち味を与えにくい。

【画像全8枚】

その点で欧州ブランドは規模が比較的小さく、デザインから運転感覚まで、統一された表現をしやすい。

それを強く感じさせたのがアルファロメオの『ステルヴィオ・ディーゼル』だ。クリーンディーゼルターボを搭載するSUVだが、アルファロメオらしい運転感覚を味わえる。

ディーゼルエンジンは実用回転域で4.5リットルのガソリンに匹敵する駆動力を発揮するが、4000回転を超えた領域でも吹き上がりが活発だ。ノイズや振動も少ない。ディーゼルのメリットを備えながら、欠点を払拭させた。

『ジュリア』と同じ価値観で開発された

アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼルアルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル
操舵感にも特徴があり、全高が1680mmに達するSUVでは反応が機敏だ。後輪駆動をベースにした4WDと相まって、峠道を走ると良く曲がり、旋回軌跡も拡大させにくい。共通のプラットフォームを使うセダンの『ジュリア』と同じ価値観で開発された。

ただし高重心なのに車両の動きが機敏だから、危険を回避するために慌てて車線を変えたり、下り坂のカーブでブレーキを踏むと、やや後輪の横滑りを生じやすい。

一般的なSUVでは、操舵感をもう少し穏やかで曲がりにくい設定にして、後輪の接地性と走行安定性を向上させるだろう。そこをステルヴィオは、バランスを大きく損なわない範囲で、アルファロメオのスポーティな運転感覚を表現した。

乗り心地は硬い。試乗車のタイヤは18インチ(235/60R18)だが、ランフラットタイヤの影響もあり、やや上下に揺すられやすい。欠点ともいえるが、アルファロメオが好きなユーザーには特徴のひとつだろう。

38万円安い戦略的価格のディーゼル

アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼルアルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル
価格も注目される。2リットル・ガソリンターボの「2.0ターボQ4」は655万円、2.2リットル・クリーンディーゼルターボの「ディーゼルQ4」は617万円だ。装備に若干の違いはあるが、本来は価格が高まるディーゼルを38万円安く抑えた。クリーンディーゼルは燃費数値に関係なくエコカー減税も免税だから、ますます安く買える。これは戦略的な値付けだ。

セダンのジュリアを試乗した時は「アルファロメオもBMWに似てきたな」と感じたが、ステルヴィオでは、ブランドの主張を明確に理解できた。普通は穏やかに走るSUVに、攻めたハンドリングを与えたからだ。SUVだからこそ、アルファロメオの本質が赤裸々に表現された。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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