ダイハツがレストア車の1台しか展示しなかった理由…人とくるまのテクノロジー2019

レストアされたダイハツP-5(人とくるまのテクノロジー2019)
レストアされたダイハツP-5(人とくるまのテクノロジー2019)全 10 枚

5月22日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展2019」で異彩を放っていたブースはダイハツ工業と言っていいだろう。なにしろ真ん中にレストアされたスポーツカーがぽつんと置いてあるだけで、最新技術についての展示が全くなかったからだ。

「実はまもなく新技術を発表することになっているんです。それで今日のところはこのような展示としました」と同社関係者は説明する。

しかし、そのレストアされたスポーツカー「P-5」が、同社関係者が驚くほどに来場者から人気を呼んだ。というのも、車体が黄色と赤色で目立つうえ、格好良くスマートだったからだ。なんでもP-5は1968年の日本グランプリGP-Iクラスの優勝車で、総合成績でも10位と大健闘したそうだ。

そのとき総合優勝したのはシボレー製V8の5.5リットルエンジンを積んだ日産「R381」だったが、P-5はダイハツが開発した1.3リットルのエンジンだった。社内では、ダイハツの力を内外に知らしめたと伝説になっているという。

「その車をベテランから若手までが一緒になってレストアすることによって、技術の伝承を図ろうと考えたわけです。若い技術者に昔から続く長い技術の積み重ねが今日の技術につながっていることを理解してもらいたかった」と同社関係者。ブースには当時の手書きの設計図も展示してあった。

P-5は先週、滋賀で開催されたファンイベントでデモ走行し、今回の展示のあとはスポーツイベントで美浜サーキット(愛知県美浜町)を疾走する予定だ。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. マツダ『CX-5』新型を欧州で発表…日本では2026年中に発売
  2. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. 名車「964型ポルシェ 911」を最新の姿に甦らせる、シンガーが最新レストア作品披露へ
  5. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る