UDトラックスが展示、商用車の自動運転は意味合いが異なる…人とくるまのテクノロジー2019

UDトラックス(人とくるまのテクノロジー2019)
UDトラックス(人とくるまのテクノロジー2019)全 12 枚

22日から24日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019」。

スウェーデンのボルボグループの傘下メーカー、UDトラックス(かつての日産ディーゼル工業)は、2017年に市場に投入した排気量11リットルの大型車用ターボディーゼルのカットモデルの実機展示が目を引く。一部透明カバー化されたカムカバーから見える動弁系や黒光りする塗装の大型排気タービンなど、大型ユニットならではのド迫力だ。

が、本当の売りは11リットルエンジンではなく、今年3月に投入したばかりの新鋭機、8リットルターボディーゼル。ダウンサイジングで軽量・コンパクト化を実現しながら、最高出力357psまでをカバー。高出力タイプは大型トラック『Quon(クオン)』の重量級モデルも駆動させることができるスペックだ。

壁面では、一刻も早い実現が望まれている将来技術、自動運転への取り組みが動画が紹介されていた。

「自動運転はレベル2から5までいくつもの段階がありますが、とにかくできるところから素早く実用化する必要があります。もちろんいろいろ難しいこともありますが、駐車場での自動運転などはかなりのレベルに到達していると自負しています。親会社のボルボトラックと共通のシステムで、スケールメリットも狙っています」(UDトラックスのエンジニア)

自動駐車は乗用車分野でもすでに一部の高級車に実装されはじめているが、商用車分野での実用化は乗用車とはまるで意味合いが異なる。現在のジャストインタイムのようにトラックのドライバーが荷捌き場に決まった時間にクルマを付けるよう要求されていると、ドライバーは目的地にたどり着いても運転業務から解放されない。が、荷捌き場まで自動運転で行けるようになれば、ドライバーはトラックターミナルに着いた時点で業務を終えることができる。

今日、物流の世界では運転のプロであるはずのトラックドライバーに荷物の積み下ろしを手伝わせるようなことが横行しているが、荷捌き場までの自動運転が実現されればそういう無茶な要求も出しにくくなることだろう。ぜひ早く実現させてほしいところだが、ディスプレイのVTRを見る限り、かなり期待が持てそうだった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【メルセデスベンツ Eクラスオールテレイン 新型試乗】Eクラスを選ぶならこれが一番。ただしお値段は…中村孝仁
  2. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  3. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  4. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  5. マツダ『CX-5』新型、7月10日世界初公開へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る