【INDYCAR 第7戦】佐藤琢磨が3位、デトロイト“ダブルヘッダー”初戦でインディ500に続く好成績…優勝はニューガーデン

デトロイト連戦の“レース1”で佐藤琢磨(右)が3位に。優勝はニューガーデン(左)。
デトロイト連戦の“レース1”で佐藤琢磨(右)が3位に。優勝はニューガーデン(左)。全 8 枚

現地6月1日、米ミシガン州デトロイトで開催されているインディカー・シリーズ“第7&8戦ダブルヘッダー”の第7戦決勝で、佐藤琢磨が3位に入った。前戦インディ500から2レース連続の3位。優勝はジョセフ・ニューガーデンで今季2勝目。

先週、第103回インディ500(今季シリーズ第6戦)という最大舞台を戦い終えたばかりのインディカー・シリーズだが、次の週末はデトロイトでのダブルヘッダー開催とタイトなスケジュールだ。デトロイトのレースウイークは金曜(5月31日)から走行が始まり、土曜(6月1日)に第7戦の予選と決勝、日曜(2日)に第8戦の予選と決勝が実施される流れ。舞台はベルアイル・パーク市街地コースである。

土曜の第7戦決勝は荒天によりスタートが遅れ、当初70周の予定が1時間15分のタイムレース形式になるなど混乱した。開戦後もフルコースイエローコーションとなるアクシデント事象が多発していくことになるが、そのなかで幸運も味方に勝利を得たのがジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/エンジンはシボレー)である。

予選2位だったニューガーデンは3番手を走っていた残り45分くらいのタイミングでピットへ。走行ライン上が乾いていく状況下、上位陣で最初にドライ用タイヤへの交換に踏み切った。すると、ほぼ同時にコース上でアクシデントが発生、フルコースイエローになる。他の上位陣はフルコースイエローによる隊列スロー走行中にピットオープンとなってからのピットインということになり、タイミングに恵まれた格好のニューガーデンはこの局面で首位浮上を果たすのであった。

ニューガーデンは終盤、ポールポジション発進だったアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)の追撃を封じ切ってトップチェッカー、43周で終わったレースで開幕戦以来となる今季2勝目をあげた。

2年ぶり2度目のシリーズ王座獲得を目指すニューガーデンは、「完璧なコール(チームからのピットイン指示の無線)だったね」と語り、「ドライになっていけばチャンスが増すと考えていた。マシンもエンジンも素晴らしかった」とも振り返っている。幸運は確かにあったが、そこで好機を逃さないだけの集中力とスピードが彼と彼のマシンには備わっていた。また、上位以外のマシンで先にドライ用タイヤを履いていたマシンのタイムも見つつのピットイン判断の早さ、これが自力で幸運を呼びこんだともいえる展開の勝利だった。

そして3位には佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)が入った。予選9位だった琢磨はレース途中まで6番手前後での走行が続く。残り約21分、フルコースイエロー明けのリスタートを5番手の位置で迎えた琢磨はここからオーバーテイクを連発してすぐに3番手へと浮上。この局面はすぐにフルコースイエローが繰り返され、3分くらいしか戦えなかったのだが、そこでの2ポジションアップは見事だった。

最終盤のリスタート後、ニューガーデンとロッシのトップバトルには離されたものの、琢磨はフェリックス・ローゼンクヴィスト(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)以下の面々を僅差で振り切って3位を獲得。前戦インディ500に続く3位で、これで今季は3位以内の決勝リザルトが7戦中3度目ということになった(1勝を含む)。

金曜の走行からチームとして苦戦傾向にあっただけに、「雨が我々の助けになると期待していましたし、実際にいくつかのゲインがありましたね」と琢磨は振り返る。終盤の3位を巡る戦いは「非常にエキサイティングでした」とも。翌日の“レース2”に向けては「今日で学べた部分も確かにありますし、エンジニアたちと話し合って、明日はもっと良いマシンにしたいですね」との旨をコメントしている。

決勝4位はローゼンクヴィストで、5位がライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)。6位にはインディ500覇者のシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)が続いた。

第8戦の予選&決勝は引き続き当地にて、6月2日に実施される。琢磨にはインディ500から3戦続けての3位以内達成、そしてシーズン2勝目獲得の期待がかかる。

《遠藤俊幸》

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