マツダ ロードスター 30周年記念、初代はどのように開発されたか

初代マツダ/ユーノス・ロードスター
初代マツダ/ユーノス・ロードスター全 2 枚

『マツダ/ユーノス ロードスター』
日本製ライトウェイトスポーツカーの開発史
著者:初代ロードスター開発責任者 平井敏彦他
発行:三樹書房
定価:本体価格3800円(消費税除き)
発売日:2019年5月25日
ISBN978-4-89522-710-0

マツダ/ユーノス『ロードスター』が誕生して今年で30年経った。それを記念して初代ロードスター開発史の決定版が刊行された。

1980年代、“ライトウェイトスポーツカー”が世界市場から消え去り、全くなかったそんな時代に、マツダからロードスターが誕生した。その時の自動車業界からは諸手を挙げて歓迎する声とともに、冷ややかなものもあった。しかし、世界的に大ヒットにつながる。同時に、市場も確立され海外メーカーからも矢継ぎ早にこのセグメントに向けてクルマが送り出されたのだ。

初代ロードスターは運転の楽しさを追求して開発された。そのキーワードは“人馬一体”。このことは現行ロードスターに至るまで脈々とつながるDNAといってもいいだろう。

そういった初代ロードスターはなぜ開発されたのか。そのコンセプトやデザインはどうやって決まっていったのか。本書は初代ロードスターの担当主査である平井敏彦氏をはじめ、開発の初期段階から関わったそれぞれの担当者の手によって書かれている。従って現実味あふれ、またその時々の苦悩が如実に表現されており興味深い。

『マツダ/ユーノス ロードスター』『マツダ/ユーノス ロードスター』本書は2003年に刊行された同書の改訂版にあたる。ただし、追加写真をはじめ全般に手が加えられており、特に巻頭には初版で収録出来なかったロードスター誕生までの米国での試作・プロトタイプに関しての写真と解説が大幅に追加された。

出版社によると、2017年秋ごろからこの企画はスタート。このタイミングはマツダ・レストアサービスの事業開始にもリンクしていることから、その概要をマツダロードスターアンバサダーの山本修弘氏が最終章に執筆。そのほか生産台数表なども追加され、「改定版」というレベルを超えた仕上がりとなっている。

現行ロードスターはサイズダウンし初心に帰ったといってもいい仕上がりだ。そういう点でも、再び初代ロードスターの歴史を紐解くのによい機会であり、本書はその点でもうってつけである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  2. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  3. 「アルパインスタイル仙台R4」がグランドオープン、待望の仙台エリアへ出店
  4. 日産『リーフ』新型、米国EV最安値の約440万円から…今秋発売へ
  5. マセラティの最新スーパーカー『MCPURA』、北米デビュー
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る