【メルセデスベンツ Aクラスディーゼル 新型試乗】機敏ではないが安心の走り、居住性にはご注意…渡辺陽一郎

メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)
メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)全 8 枚

ガソリン感覚で運転しやすいディーゼル

メルセデスベンツで最小サイズの『Aクラス』に、直列4気筒2リットル・クリーンディーゼルターボを搭載する「A220d」が加わった。

運転感覚は、ディーゼルらしく低回転域から粘りがある。最大トルクの32.6kg-mが発揮されるのは1400~3200回転だが、1300回転付近から過給効果が感じられ、ターボが常に作動している印象だ。クリーンディーゼルターボの中には、1500回転付近を下まわると過給効果も下がって動力性能の落ち込むタイプも見られるが、A220dは運転しやすい。

ディーゼルエンジン特有のノイズは、低回転域では少し耳障りだが、2000回転を上まわると気にならない。ガソリンエンジンに近い感覚で扱える。

機敏ではないが高速域で安心・快適な走り

メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)
走行安定性は良好だ。ハンドルを切り始めた時の反応は少し穏やかで、操舵角が40度前後を上まわると車両が本格的に向きを変え始める。機敏な印象はないが、正確性を高めたから、高速道路では安心感があって峠道は軽快に走る。

試乗車のタイヤサイズは18インチ(225/45R18)で、銘柄は韓国ブランドのハンコック・ヴェンタスであった。乗り心地は、40km/h以下では細かなデコボコを伝えやすいが、大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感は抑えている。速度が高まると快適になる。

後席を頻繁に使うなら居住性は要チェック

メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)メルセデスベンツ Aクラスディーゼル(A200d)
注意したいのは居住性だ。前席は座り心地とサポートが優れているが、後席は足元空間が狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半にとどまる。後席に座る乗員の足が前席の下側に収まるから、4名乗車を妨げないが、長身の乗員には窮屈だ。

日本では全長が4419mm、全幅が1796mmのAクラスになると、ファミリーカーの需要も多い。後席を頻繁に使う場合は、居住性を確認したい。逆に2名以内の乗車なら、運転感覚から前席の居住性まで満足度は高い。

A200dの価格は、1.3リットルガソリンターボを搭載する「A180スタイル」に比べて30万円高いが、性能の違いを考えると妥当な価格差だろう。

直列4気筒クリーンディーゼルエンジン OM654q直列4気筒クリーンディーゼルエンジン OM654q

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  4. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る