【懐かしのカーカタログ】早過ぎた超スタイリッシュSUV…いすゞ ビークロス 1997年2月24日

いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表
いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表全 4 枚

「あんなクルマもあったなぁ」「いい時代だった」…当時、憧れを抱いて手にしたカタログのページをめくりながら“在りし日”を振り返る。新連載『懐かしのカーカタログ』第2回目は、いすゞ『ビークロス』だ。

【画像全4枚】

早過ぎた超スタイリッシュSUV

今でこそスタイリッシュなSUVは数多い。けれど『ビークロス』が登場した当時、まだゴツいクロカン4駆が中心で、乗用車派生の4WDもチラホラと出始めた頃。その中で月面探索車のような(!?)『ビークロス』は、とにかく際立った。

1993年の東京モーターショーのコンセプトカー『ヴィークロス』が元。しかし乗用車(当時の『ジェミニ』)ベースから、量産型では『ミュー』や『ビッグホーン(ショート)』をベースにし、ボディサイズもエンジンもひとまわり大型化した。が、ショーモデルさながらのスタイルを通したのは、初代『ピアッツァ』や、ひいては『117クーペ』と同様の、いすゞのこだわりでもあった。

いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表
今だから言えるが、スタイルング重視でルーフが低かったから、僕は初めて実車の運転席に乗り込もうとした際、勢い余って傾斜したAピラーに頭をぶつけた。SUVは四角く屋根も高いもの……そんな感覚が染みついていたからかもしれない。ついでながら、スペアタイヤは約7kg軽量化したというテンパータイヤながらテールゲートにマウントし、外から見る分にはかっこよかったが後方視界は絶望的で、そのために当時はまだ珍しかったバックカメラが用意された。

外観に比してインテリアはデザイン控えめだった。インパネは『ミュー』をほぼ踏襲したもので、落ち着いていると言えばそうだったが、気分の高揚は控えめだった。ただしmomoのステアリングやレカロシート(トレンド)を採用。スペシャルティカー的な装備の充実度は手当てされていた。

3.2リットルのV6を載せ、足回りにはアルミ製モノチューブ別体タンク式ショックアブソーバーを装着。駆動方式にトルク・オン・デマンド(電子制御トルクスプリット)式4WDを採用する走りは、低速から豊かなトルクを活かした余裕の力強さと、オンロードでも山道を想像以上に軽快に走った……そんな記憶がある。

いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表いすゞ ビークロス 1997年2月24日発表
といっても『ビークロス』ではやはりスタイリング関係の印象が鮮烈。“プレミアムカラープロデュース25”と名付けられた、標準色5色に加え、特注色を何と20色も用意し、ユーザーに自分だけの1台を作る楽しみを味わわせてくれた。叶わぬ夢かもしれないが、今、もしもいすゞの手でこの『ビークロス』が蘇ったとしたら、どんなクルマになるのだろう? 内外の多くのSUVがひしめく現代でも“早過ぎた超スタイリッシュSUV”の存在感は変わらない。

いすゞビークロスいすゞビークロス

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がRAV4デザインに!? 次期型が驚きの進化、国内トップSUVの最新情報
  2. ホンダ『N-BOX』の運転席を収納力アップ! 簡単設置の専用「ダッシュボードトレイ」発売
  3. 車の黒樹脂パーツが白くなる原因と対策、洗車後に差が出るメンテナンス方法~Weeklyメンテナンス~
  4. 日産、新車開発AIで大幅短縮、新型『スカイライン』など1年に7車種投入[新聞ウォッチ]
  5. 『ジムニー』がアメリカンクラシックに変身! アルパインスタイルのカスタムカー『ベアス』が「5型」ベースに進化、338万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ホンダ「2026ビジネスアップデート」…次世代HV15車種投入、2029年度営業利益1兆4000億円
  2. BYD、Huawei、Xpengが示す中国自動車産業の次なるステージとは…匠新[インタビュー]
  3. ダイフク、520億円の成長投資でマザー工場再開発とドイツ企業買収…2030年に売上高1兆円へ
  4. AIドライブレコーダーで道路損傷を自動検出、「道路巡回ソリューション」共同開発…電気興業とサイバーコア
  5. JFEスチール、スポット溶接安定化技術が国内自動車メーカーの部品に初採用…高強度鋼板の適用拡大に貢献
ランキングをもっと見る