【レンジローバー イヴォーク 新型試乗】デザインと雰囲気が気に入ったなら選ぶ価値あり…渡辺陽一郎

カッコ良さと実用性の両立

SUVというより低重心のハッチバックに近い

デザインと雰囲気が気に入ったなら選ぶ価値あり

レンジローバー イヴォーク 新型
レンジローバー イヴォーク 新型全 8 枚
◆カッコ良さと実用性の両立

今は日本車、輸入車ともにSUVの人気が高い。好調に売れる理由は、悪路の走破も考慮した大径タイヤなどによってボディの下側がカッコ良く、上側はワゴン風で居住性や積載性も優れているからだ。

このカッコ良さと実用性の両立で注目されるのが、先ごろフルモデルチェンジしたレンジローバー『イヴォーク』だろう。鋭角的な外観には彫刻のような塊感があり、ミドルサイズのボディは4名乗車も可能だ。前輪駆動をベースにした4WDを搭載しながら(海外には2WDもある)、600mmの水深を走破できるなど悪路性能も高い。

◆SUVというより低重心のハッチバックに近い


試乗したグレードは「P250ファーストエディション」で、直列4気筒2リットルターボエンジンを搭載する。2リットルターボには3種類のチューニングがあり、P250は中級だ。

1400回転以下ではターボの過給効果が薄れて駆動力も落ち込むが、それ以上の回転域では自然吸気の3リットルエンジンに相当する性能を発揮する。吹き上がりは少し鈍いが、実用回転域の駆動力が高く運転しやすい。


走行安定性と操舵感は、SUVというより低重心の5ドアハッチバックに近い。操舵感が適度に機敏で良く曲がる。ゆったりとボディが傾くSUVらしさは乏しいが、イヴォークの性格には合っている。

乗り心地は試乗車が21インチタイヤ(245/45R21)を装着していたこともあって硬めだが、突き上げ感は抑えた。

◆デザインと雰囲気が気に入ったなら選ぶ価値あり


全幅は今のSUVの流行に沿って、1905mmとワイドだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2680mmを確保するが、最小回転半径は5.5mに収まる。全長も4380mmだから、全幅を除けば不満はない。後方視界は良くないから、購入時には縦列駐車と車庫入れを試したい。

居住性は先代型に比べると後席が若干広くなった。腰が落ち込んで快適とはいえないが、レクサス『UX』に比べると少し余裕がある。基本的には2名乗車向けだが、長距離を移動しないのであればファミリーカーとしても使える。


なお先代型のATセレクターはダイヤル式で、イグニッションに連動して、ダイヤルが持ち上がった。これは北米で不評だったから、新型は一般的なレバー式に変更されている。

価格はベーシックなガソリンエンジンの「P200」が461万円で、中心価格帯は600~650万円だ。日本車ならレクサス『RX』に近い。外観と内装の雰囲気が気に入ったなら、選ぶ価値があるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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