NEDO、アイシン精機などと世界初の熱電発電モジュールを開発…体温での発電も可能

熱電発電モジュール
熱電発電モジュール全 4 枚

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とアイシン精機、物質・材料研究機構、茨城大学は8月21日、汎用元素のみで構成する熱電発電モジュールの開発に成功したと発表した。このモジュールは世界初で、体温などわずかな温度差でも発電するという。

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「熱を電気に直接変換する熱伝導素子はこれまでレアメタルを使っていたが、今回はありふれた材料、鉄、アルミニウム、シリコンだけを使って開発したというところが画期的だった。将来増大するIoT機器の電源として使えると考えている」とNEDO省エネルギー部の吉岡恒部長は話す。

NEDOがプロジェクトをマネジメントし、物材機構と茨城大学が材料開発、アイシン精機がモジュール開発を担当。今回のモジュールでは、5度の温度差で1平方cm当たり85マイクロワットの発電が確認できた。従来の材料に比べ、耐久性や熱に対する安定性なども優れており、材料コストも5分の1以下に削減できるという。

会見場では、熱電発電モジュールを組み込んだIoT機器の試作機を用意し、手のひらをその試作機の上に乗せ、電気が発生している様子を見せた。実際に人間の体温と外気の温度との差で発電できることを証明したわけだ。今回の試作機は8月29日~30日まで東京ビッグサイトで開催される「イノベーション・ジャパン2019」に展示されることになっている。

ただ、事業化についてはまだ具体的に決まっていないそうで、「これからニースを探索していく。要望があれば一緒に事業化を進めていきたい」とアイシン精機L&E商品本部エネルギー技術部の小島宏康チームリーダーは話し、これから細かい性能の確認をしていく予定だ。

いずれにしても、今回のモジュールは大きな可能性を秘めていると言っていいだろう。というのも、近年さまざまなデータを活用する超スマート社会の実現に向けてIoT機器の爆発的増加が予想され、そのIoT機器に電力を供給する小型自立電源が求められているからだ。

NEDOでは今後、熱電材料の合成プロセスの最適化や組成・組織制御を通して、さらなる高性能化を行い、モジュールの安定性や耐久性向上のために接合技術の改善、さらなる小型化を進めていくという。そして、日本国内で1兆個ともいわれるIoT機器の駆動を支える自立電源としての普及を図っていきたいそうだ。

《山田清志》

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