【マツダ3 新型試乗】セダンはファストバックより“ファミリー向き”…工藤貴宏

マツダ3新型セダン
マツダ3新型セダン全 18 枚

“カラカラ音”が気になる1.8リットルディーゼルエンジンだが…

『マツダ3』のはじめての公道試乗のスタート地点は、夕方の都心。1.8リットルディーゼルエンジンを搭載したセダンに乗って駐車場を出たら、さっそく大渋滞が待っていた。

【画像全18枚】

そこで気になったのは、ディーゼルエンジン特有のカラカラとした音。ボク自身もマツダのディーゼルエンジン搭載車を愛用しているのだが、愛車のエンジンは排気量2.2リットルで同様にディーゼルエンジンを積むライバルを超える静粛性を誇る。それに比べるとマツダ3の1.8リットルディーゼルは音量が大きく、渋滞中ではカラカラとした音が目立つ気がする。

いっぽうで音の面を除けば渋滞中でもディーゼルの良さは実感できる。2000回転にも満たないような低い回転域でも太いトルクを発生して渋滞中でも扱いやすいのはさすがディーゼルだ。アイドリングストップから再始動する際のショックは少なく、そのあたりのしつけはしっかりされている印象を受けた。

車速が40km/hを超えてくると、エンジン音は耳障りではなくなり、音を意識するのはアクセル踏み込み時くらいとなる。

クルマを使うシーンとしてある程度車速の高い巡航が多いなら、優れた燃費も含めてディーゼルエンジンがおススメできる。いっぽうで渋滞に遭遇することが多い環境で快適性を気にする人、もしくは高回転まで回す喜びを感じたいなら、ガソリン車を選んだほうがいいだろう。マツダ3新型セダンマツダ3新型セダン

運転する喜びを求める人にとって最大の魅力となる「カタマリ感」

そんなマツダ3を運転していて感じたのは、ボディの「カタマリ感」だ。まるでひとつの鉄の塊から削り出したかのように力(路面からの入力やドライバーの運転によるクルマの反応)の伝わり方が素直で、しっかりとした乗り味なのである。

クルマはタイヤからサスペンション、そして車体など多くの部品で構成されていて、力が伝わる過程では必ず「反応遅れ」がでる。入力からドライバーに伝わるまでのわずかな「時間のズレ」や振動の「共振」と「増幅」が運転時の爽快感を阻害する要素となるのだ。

しかし、マツダ3はそれらが驚くほど少なく、ダイレクトでキビキビとしている。一般的なクルマと比べると、例えるなら野球のバットを握る手を軍手から素手に変えた時の手のような感覚。入力がリニアにドライバーに伝わるのだ。これはまるで高剛性ボディのスポーツカーのような感覚であり、このカタマリ感こそ、運転する喜びを求める人にとってはマツダ3の最大の魅力だと思える。

もちろん、タイヤから入った衝撃はしっかりといなしてくれるので乗り心地自体が悪いわけではないし、路面の段差を超えた際などのタイヤのバタバタ感もなかった。マツダ3新型セダンマツダ3新型セダン

一見高く感じる価格も、内容を見れば高くない!

渋滞では音が耳障りに感じるディーゼルだが、燃費の良さはライバルにないマツダ3だけの大きな魅力。郊外を走ることがメインの人にとっては大きなセールスポイントだ。

そのうえ美しいデザインや高品質なインテリアがあり、走りも爽快。Cセグメントのセダンで274万円というディーゼル車の価格は一見したところ高いように感じるかもしれないが、渋滞時の停止保持までおこなうアダプティブクルーズコントロールを含めた先進安全装備をはじめ、ヘッドアップディスプレイ、18インチタイヤ&ホイール、5万円強の地図データを購入すれば使えるナビシステム、そして車載通信機まで標準装備していると考えれば、内容的には決して高くない。

また、セダンはハッチバックに比べるとラゲッジスペースだけでなく後席の頭上クリアランスも広いのでよりファミリーユーザー向きだ。5ドアハッチバックのウィークポイントとされる太いCピラーによる斜め後方視界の悪化も、セダンなら気にならない。マツダ3新型セダンマツダ3新型セダン

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

工藤貴宏|モータージャーナリスト
小学校高学年から自動車雑誌を読みはじめ、1日でも早く運転したくて18歳誕生日の翌日には仮免許を取得したクルマ好き。大学在学中から自動車雑誌でアルバイトを始め、自動車専門誌編集部在籍後、編集プロダクションを経てフリーランスライターに。愛車はディーゼルエンジンを積んだSUVとフランス製ホットハッチ。

《工藤貴宏》

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