【WRC 第11戦】シトロエン勢1-2フィニッシュ、オジェが久々の今季3勝目…トヨタ勢は今回苦闘で最高6位

WRC第11戦トルコの表彰台、中央でジャンプしているのがウイニングドライバーの#1 オジェ。
WRC第11戦トルコの表彰台、中央でジャンプしているのがウイニングドライバーの#1 オジェ。全 8 枚

世界ラリー選手権(WRC)第11戦が12~15日にトルコであり、シトロエン勢が1-2フィニッシュ、セバスチャン・オジェが8戦ぶりの今季3勝目をあげた。3連勝を狙ったトヨタ勢は苦闘、ヤリ-マティ・ラトバラの6位が陣内最高順位だった。

トルコは昨年からWRCに復活。南西部のリゾート地、マルマリスを中心とする新たなトルコ戦は山岳地帯メインのラフなグラベル(非舗装路)が主舞台とされ、耐久色の強いラリーとも評されるが、「ヤリスWRC」で戦うトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)と#8 オット・タナクは昨年このラリーで勝っている。人車とも当地2連覇と今季における3連勝を狙っての臨戦だった。

ドライバーズポイントランキング首位の#8 タナクには、実質的な競技初日である金曜(13日)の出走順が1番になるというグラベル戦での基本的な不利要素があった。金曜終了時点でトヨタ勢は7~9番手(タナク8番手)と、ここ最近の勢いが感じられない出足に。そして翌土曜、#8 タナクのマシンにECUのトラブルが発生して彼はデイリタイアと、一層厳しい展開になる。

直近5戦で4勝してきたトヨタだが、今回のトルコでは最終結果で#10 ヤリ-マティ・ラトバラと#5 クリス・ミークが6~7位に入るにとどまった。#8 タナクは日曜(最終日)に再出走して、最終結果16位。

トルコ戦を制したのは#1 セバスチャン・オジェ(シトロエンC3 WRC)。第3戦以来久々の勝利で、今季3勝目となった。2位に#4 エサペッカ・ラッピが続き、シトロエン勢は1-2フィニッシュ。3位には#89 アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ i20クーペWRC)が入っている。

残り3戦、タイトル攻防戦も佳境を迎えつつあるが、まずマニュファクチャラーズタイトル争いの方ではヒュンダイがトヨタに対するリードを広げ、19点差とした(314対295)。まだまだ接戦といえる差だ。今回1-2で最大の43点を稼いだシトロエンは総計259点でランク3番手。シトロエンがここから2強に追いつくのはちょっと厳しいかもしれない。

続いてドライバーズポイントランキング。今回のラリーの総合順位では無得点だった#8 タナクだが、最終日最終ステージに設定されたパワーステージ(このステージの順位だけでドライバーとコ・ドライバーは最大5点獲得可能)で1位となり5点ゲット、シーズン総得点を210に伸ばした。#1 オジェが193点、#11 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ/今回総合8位)が180点で続く。

前戦終了時点で#8 タナクはランク2番手(当時は#11 ヌービル)を33点離していたため、仮に今回無得点でもランク首位の座を失うことはなかったわけだが(選手は1戦あたり最大30点獲得可能)、リードは17点に半減し、1回のラリーでひっくり返る可能性もある状況に転じている。

今回勝った#1 オジェは「この勝利はタイトル争いに(現実的な意味で)復帰するためのラストチャンスであり、本当に必要なものだった」とコメント。今季はシトロエンに移籍して個人王座7連覇を目指している絶対王者オジェ、起死回生の勝利で再び心のリアルバトルモードに“着火”したようである。

一方、パワーステージ1位で5点獲得し、リードの縮みを軽減できたことは#8 タナクにとって小さくない(今回のパワーステージはオジェ3位=3点、ヌービル2位=4点)。「自分には失うものがなかった。全力でパワーステージに臨み、ポイントを(フルに)獲得できたことを嬉しく思う。これで(再び)勢いがつき、モチベーションが高まった。残り3戦、ベストを尽くし、限界まで攻め続けるしかない」と、タナクは語っている。

トヨタのチーム代表、トミ・マキネンも「残る3戦はいずれも我々のスピードを発揮できるラリー。シーズンの最後に向かって力強く戦えると確信している」と、ダブルタイトル獲得を目指しての終盤戦に決意も新たな様子だ。

WRC第12戦は英国(グレートブリテン=GB)戦、「ウェールズ・ラリーGB」が10月3~6日に開催される。

《遠藤俊幸》

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