【トヨタ ヤリス 新型】ヴィッツ改め、2020年2月発売…吉田副社長「既成概念捨て先進安全技術にこだわる」

吉田守孝副社長(向かって右)と開発責任者の末沢泰謙チーフエンジニア
吉田守孝副社長(向かって右)と開発責任者の末沢泰謙チーフエンジニア全 6 枚

トヨタ自動車は10月16日、グローバル市場での主力コンパクトカー『ヤリス』の新型車を世界初公開した。2010年末以来の全面改良で、日本市場では名称も『ヴィッツ』からヤリスに改め、20年2月中旬に発売する。

新型はトヨタが15年発売の4代目『プリウス』から採用している開発手法のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)による第4弾のプラットフォーム(車台)で、コンパクトカー向けとなる「GA-B)」を初導入した。併せてエンジンや、トランスミッション、サスペンション、ハイブリッド車(HV)システムなど主要コンポーネントを全て新設計している。

パワートレインは1.5リットルおよび1.0リットルのガソリン車と、1.5リットルのガソリンエンジンによるHVの3タイプとしている。いずれもコンパクトカーの性能を引き出すため、小型・軽量で機械的なフリクション(摩擦)も小さくできる3気筒エンジンとした。トヨタの1.5リットル級エンジンでの3気筒化は初めて。約50kgの車両軽量化も図るHVの燃費性能は、HVとして世界最高レベルを目指しているという。

安全装備では同社の予防安全パケージである「トヨタ・セーフティ・センス」(TSS)を標準搭載し、しかもTSSのプリクラッシュセーフティ(衝突回避支援・被害軽減機能)では初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知できるシステムを導入している。重大な事故発生の多い、交差点での対応範囲を拡大する。

安心・快適機能では、これもトヨタ初となる高度駐車支援システム「Advanced Park」をオプション設定する。並列、縦列駐車ともに可能で、シフト操作以外のハンドル・アクセル・ブレーキはクルマ側が制御する。また、白線のない駐車場に止め、そこを画像認識技術でクルマに覚えさせる世界初のメモリ機能も搭載している。価格やオプション装備などの詳細は12月に発表する。 

都内での発表会に出席した吉田守孝副社長は「コンパクトカーの既成概念を捨て、コンパクトカーの魅力は何なのかと徹底的に考えた。コンパクトだから軽い。その軽さを生かした軽快な走りと最高の燃費の実現も目指した」と、開発の狙いを語った。

さらに、「コンパクトで安価という故に、ともすればデザインや安全性能で妥協しがちだが、この相反する困難な目標も達成するよう開発を進めている」と話した。トヨタ車では初の安全装備を意欲的に採用する点については「車両サイズのヒエラルキー(階層)にとらわれず、先進技術の導入にこだわった」と力説した。

一方、日本での車名変更について豊田章男社長は、発表会のビデオメッセージで「小さいクルマや中型、大型というヒエラルキーがあるが、それを壊そうということ。また、かつてはセカンドカーとも言われたが、ファーストカーとしてもっていただけるクルマということでヤリスに変える」と指摘、新車名に心機一転の想いを込めると説明した。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る