ダイハツの新型コンパクトSUVは「使えるSUV」…東京モーターショー2019[デザイナーインタビュー]

ダイハツの新型コンパクトSUV(東京モーターショー2019)
ダイハツの新型コンパクトSUV(東京モーターショー2019)全 14 枚

ダイハツの新型コンパクトSUVが東京モーターショー2019に展示されていた。そこで早速ダイハツデザイン部部長の岩村卓さんにデザインについて話を聞いた。

クリーンでダイナミック

デザインのコンセプトを尋ねると、「クリーンでダイナミックな印象を狙った」という。その理由は、「今、SUVは流行りでたくさんの車種がある。そこでまずこのクルマでは小さいサイズにこだわった。次に、小さいSUVだと背を低くしてスタイリッシュな方向に走りがち。しかし、ダイハツが作るからには使えるSUVにしたい、しかもそれが嫌味なく存在感があるように仕上げるために、テーマをシンプル、クリーンにしながらダイナミックな印象を狙っている」と説明。

その他にデザインでこだわったところについて岩間さんは、「水平基調でノーズを高く持ち上げ、堂々とした車格感に見せているところだ」と話す。そうすることで、クルマ全体が大きく感じられ、「このクルマは全長4メートルしで、トヨタ『アクア』よりも短い。その中でいかに存在感を高めるかが一番苦労した」という。

またボンネット周りは、「ヘッドランプにも角度をつけて立体感を出しながら、サイドのバンパーの先端部分をぐっと前に押し出すことで、四つ角を張らせながら、上周りで勢いを、下回りで安定感を狙っている。リアも同じような考え方を取っている」と述べる。

面で勝負しそれが映えるカラーを

展示されている1台はきれいなオレンジのボディカラーだ。岩間さんは、「新開発で朱(しゅ)レッドと呼んでいる。赤なのだが、シェードが濁らずに鮮やかなままで、光を受けた部分はオレンジ色に光るという、フレッシュで元気の良さを狙った。実際に販売する時は違うネーミングになるが同じカラーを登場させる予定だ」とのこと。

また、ツートーンのボディからが採用されているが、「ツートーンはマスト要件になってきている。このクルマの持っているドアのキャラクター、ドア断面のボリュームの位置が高いところに通っているので、そこをすっきりとシンプルに見えるように、ツートーンの見切りも考えている」と、当初からツートーンを採用することを踏まえ、開発がなされていることを明かす。

またサイドビューではキャラクターラインがほとんどないことも特徴だ。「目指したクリーンの印象を強く出したかったので、ドア断面の陰影で面の美しさを見せ、光や影の変化を情感的に見えるようにドア断面にはこだわった。決してドア断面の厚みがたっぷりとれているわけではないので、モデラーとデザイナーが協力した成果だ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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