パワハラで自殺のトヨタ社員、労働監督署が労災認定[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

トヨタ自動車に勤務していた当時28歳の技術系の男性社員が休職から職場復帰した後に自殺したのは、上司によるパワーハラスメント(パワハラ)が原因だったとして、所轄する豊田労働基準監督署が労災認定したという。認定したのは今年9月11日付だったが、11月19日付の毎日の朝刊が特報し、各紙が夕刊で取り上げたほか、きょうの朝日も1面トップで「トヨタ社員遺族損害賠償へ」などと伝えている。

それによると、自殺した男性社員は東京大大学院を修了し、2015年4月に入社。1年間の研修期間を経て、16年3月に本社に配属され、車両設計を担当したという。ところが、上司から日常的に「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などの暴言を受けていたという。

その男性社員は精神疾患を発症し、3カ月間休職。復帰後は別のグループに配置転換となったものの、同じフロアの斜め向かいにこの上司の席があったという。男性は「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らすようになり、社員寮の自室で自殺したため、遺族が労災を申請。豊田労基署は、男性が休職前にパワハラで適応障害を発症し、職場復帰後も治癒していなかったとして労災認定したという。

トヨタ側は「労働基準監督署の決定を真摯に受け止め、労働災害の防止と社員の健康管理に努めていきたい」のコメントを発表。だが、きょうの朝日の解説記事にもあるが「認定をめぐって、死に至った原因がパワハラだと立証するのは簡単ではない」ようだ。

ひと昔前の職場ならば、叱咤激励の意味を込めて今日問題になっているパワハラまがいの暴言を口にする体育会系などの上司も少なくなかった。それを部下が「愛のムチ」と思うのかどうかでも大きな違いだが、お互いの意思の疎通が図れていれば感情を傷つけることもないはずなのだが……。

2019年11月20日付

●全バス停危険度判定、国交省、名称・所在地公表へ(読売・1面)

●トヨタ社員遺族損害賠償へ、パワハラで自殺労災認定、難しい判断基準見直し(朝日・1面)

●全日空・日航羽田シフト、来春以降の国際線ダイヤ発表(朝日・7面)

●「トヨタウォレット」提供開始、シェアやレンタル決済アプリ(毎日・7面)

●トヨタ車購入停止へ、トランプ政権対立の加州(毎日・7面)

●日産業績悪化の1年、株価3割下落、ルノーと溝(産経・10面)

●原宿駅舎五輪後に解体へ(東京・1面)

●期間従業員の募集停止、マツダとホンダ車販売伸び悩み(日経・13面)

●保釈見えぬ判断基準、ゴーン元会長逮捕1年、可否・拘束期間にばらつき(日経・38面)

《福田俊之》

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