静岡でリニア中央新幹線の2027年開業に「赤信号」的な声…赤羽国交相「釈然としない」

山梨リニア実験線の試験列車。
山梨リニア実験線の試験列車。全 1 枚

赤羽一嘉(あかばかずよし)国土交通大臣は11月22日に開かれた定例会見で、着工が遅れているリニア中央新幹線静岡工区への対応について記者の質問に答えた。

リニア中央新幹線の工事では、11月22日に神奈川県相模原市内の神奈川県駅(仮称)が中間駅として初めて着工されたが、難工事のひとつとされる南アルプストンネルの工事については、大井川の水量減少を懸念する静岡県とJR東海との協議が難航している状態が続いていることから、静岡県内での着工が遅れている。

JR東海が示した有識者による環境報告について不信感を募らせている静岡県の川勝平太知事は、国も協議に入ることに合意しているものの、11月6日に開催した知事会見では「これは地質学者と、それから生態系の学者といろんな方たちが入っておられるので、鉄道局だけでは回答ができないのではないかと思います」と述べ、国土交通省鉄道局のほかに、同省の水管理・国土保全局や環境省、農林水産省の参加も求めている。

これについて赤羽大臣は「中心は鉄道局がそれをやっておりますので、その中で、川勝知事が環境省や農林水産省ということを言われるのは、ちょっといかがなものなのかなと思っております」と述べ、静岡県の求めに抵抗感を示した。

その上で「開業の遅れということを当事者のJR東海も心配されているのであれば、まずは両者間で懸念をしっかりと議論してクリアしていただくと。そのために、国土交通省、鉄道局は、サポートできることは支援していく、こういうことだと思っています」として、国が「議論を整理していく立場」であることを強調した。

また、リニア中央新幹線の2027年開業が静岡県内で「赤信号」であるかのように言われていることについて、記者からの「これは赤信号・青信号・黄信号のいずれですか」という質問に対しては「赤信号的なことが言われているというのは、釈然としない」と述べ、2027年開業にまだ望みがあるという考えを示した。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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