日野自動車の100年周年出版が内容を充実…年表や新型車

日野コンテッサ
日野コンテッサ全 2 枚

『日野自動車の100年【増補二訂版】』
世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー
著者:鈴木孝(工学博士)
発行:三樹書房
定価:本体価格3800円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-721-8

2010年刊の日野自動車100周年記念版に新たな内容を加え、更に充実した増補二訂版が出版された。

本書は、日野自動車の全面協力のもと、膨大な資料から400点以上の貴重な写真・図版を収録して足跡をたどり、日野自動車の一世紀にわたる歴史を網羅。世界初のハイブリッドトラック・バスを開発したメーカーとしての姿だけでなく、それ以前の乗用車、航空機製造の様子も紹介している。そして、今回新たに、社内外の文献を調査して作成した年表と2010年以降の車両紹介を増補し、更に資料性を充実させたものだ。

日野自動車は1910年、東京瓦斯工業の名で千代田瓦斯会社の子会社としてガス灯用器具を製造したことが始まりだ。その後1917年に自動車製造を目指し、早くも1918年には軍用保護自動車第1号として陸軍に採用されている。

『日野自動車の100年【増補二訂版】』『日野自動車の100年【増補二訂版】』のちに日野は乗用車事業にも進出する。当時のルノー公団からルノー『4CV』のライセンス生産の打診が日野にもたらされたのだ。1952年7月に契約締結後、1954年1月に発売され、1963年の製造終了までに3万4000台余りが作られた。この技術を生かし、日野は『コンテッサ』などを開発していく。

また、レースにも積極的に参戦。トヨタとの業務提携で途中まで作成されたヒノサムライの開発経緯や1986年にアメリカで発見された当時の写真なども掲載されているのも興味深い。

更に本書はこのような歴史的経緯だけを追うのではなく、著者が工学博士であることもあり、日野が開発しているハイブリッドはもとよりガスタービンや水素エンジンの研究開発内容にまで触れているのも歴史書としては貴重である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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