フェアレディZ 誕生50周年記念、ミスターKが語る誕生の背景

フェアレディZ(Z432、1969年)
フェアレディZ(Z432、1969年)全 3 枚
『フェアレディZストーリー 三訂版』
米国市場を切り拓いたスポーツカー
著者:片山豊 松尾良彦 片岡英明 ブライアン・ロング
発行:三樹書房
定価:本体価格4800円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-719-3

日産『フェアレディZ』がデビューし今年で50周年を迎えた。それを記念し、フェアレディZ誕生の様子と変遷をまとめた書籍が出版された。

1969年11月、フェアレディZは誕生した。ミスターKこと片山豊氏はアメリカ日産の社長を務め、日産のアメリカ進出から飛躍的に市場を拡大した功績を残した人物で、米国自動車殿堂入りを果たしている。この片山氏こそがフェアレディZをこの世に生み出した当事者である。

その片山氏が自ら執筆。その中には少年期に愛読していた英米独先進国の自動車の書籍や知識が役に立ったと述べられており、スポーツカーへの想いがフェアレディZ誕生の背景に繋がっていることがよくわかる。また、素敵なスポーツカーとはどういうものかという持論も述べられていることも興味深い。

フェアレディZのデザインを手がけた松尾良彦氏も当時を振り返り、オープンモデルからクローズドクーペに変更された経緯やデザイン案、プロトタイプ作成の手順など細かく記されているので、どのような思いでこのデザインが完成に至ったかがよくわかる。

さらに国内外でのモータースポーツ活動やその結果も掲載されているのでフェアレディZを俯瞰的に知ることが出来る1冊に仕上がっているといえよう。

なお本書は1999年10月15日に初版が発行された『フェアレディZストーリー DATSUN SP/SR&Z』を底本とし2006年に二訂版を刊行。そこに新たな資料を追加した三訂版である。

『フェアレディZストーリー 三訂版』

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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