ボッシュ、自動運転向けの新型LiDARを開発…CES 2020

ボッシュのプレスカンファレンス(CES 2020)
ボッシュのプレスカンファレンス(CES 2020)全 3 枚

ボッシュ(Bosch)は1月7日、米国ラスベガスで開幕したCES 2020において、自動運転向けの新型LiDAR(ライダー)を開発した、と発表した。

ボッシュが今回開発したのは、カメラとレーダーに続く第3のセンサー技術となる長距離LiDARだ。すでに生産段階に入っており、ボッシュによると、車載用途に最適化されたボッシュ初のLiDARになるという。

自動運転(SAEレベル3~5)に対応した走行には、レーザー光による距離測定技術が必要不可欠だ。ボッシュの新しいセンサーは、高速道路でも市街地でも、長距離、近距離の検知を可能にした。

ボッシュの分析によると、高速道路上の運転支援機能から市街地での完全自動運転に至るまで、多岐にわたる自動運転のユースケースを調査した結果、3種類のセンサーを並行して活用することでのみ、安全な自動運転を路上で実現できることが判明したという。

たとえば、交差点で自動運転車にバイクが高速で接近した場合、バイクを確実に検知するには、カメラとレーダーに加え、LiDARが必要になる。レーダーではバイクの細いシルエットや樹脂製の外装パーツが捉えにくく、カメラでは光の加減によって物体が検知しづらくなる場合があるためだ。しかし、レーダー、カメラ、そしてLiDARの3つを活用することで、相互に補完し、どのような走行状況でも信頼に足る情報を得ることができるという。

LiDARは、センサーがレーザー光を照射し、それが物体に当たって跳ね返るまでに要した時間を計測し、車両との距離を測定する。レーザーベースの測距技術を用いたLiDARは、解像度が非常に高く、検知距離が長く、視野角も広いため、離れた距離にある非金属の物体、たとえば路上の石でも確実に検知できる。そのため、ブレーキや障害物の回避といった運転操作も、適切なタイミングで開始できる。

一方、車載用途のLiDARには、光検出器やレーザーなどの構成部品に、車両の耐用年数を通して、とくに温度耐性や信頼性に関する高度な要件が求められる。ボッシュは、LiDARの開発において、レーダーおよびカメラなどのセンサーとシステムに関するノウハウを活用し、3つのセンサー技術すべてを最適化することを可能にした。ボッシュの長距離LiDARは、自動運転に必要なさまざまな安全要件を満たすだけでなく、自動車メーカーの幅広い車種に効率的に組み込むことが可能、としている。

《森脇稔》

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