「自動運転車」は道路交通法順守か、通行実態に合わせるべきか

道路交通法順守か、通行実態に合わせるべきか
道路交通法順守か、通行実態に合わせるべきか全 1 枚

自動運転のクルマは、基本的に道路交通法を守るようにプログラムされる。けれど、実際の交通社会で「守りすぎる」と、交通流を乱すことは容易に想像できる。


例えば速度。制限速度が時速50kmのところも、実際は時速10~20kmくらい速い速度で流れている現場はたくさんある。もしもそこに、時速50kmで走るクルマがいたら、交通流が乱れ、逆に事故や渋滞を起こす要因になりかねない。本来ならば、すべてのクルマが制限速度を守るべきなのだけれど、そう簡単にいかない現実は認識しなければいけないと思う。

道路交通法をきっちり守る自動運転の課題。交差点そばでの進路変更も、そのひとつだと言える。

例えば3車線ある道路で、左折レーンがあるとする。それぞれの車線は、黄色いラインで進路変更禁止の表示がされていれば、ラインを超えて進路変更は禁止だ。当然、左折したいクルマは、あらかじめ左折レーンを進むのだが、そこに車両が止まっていたらどうするか。そんなところに止まっていること自体が違法行為だが、残念ながら都内中心部では、日常的に見かける光景である。となると、自動運転のクルマは、止まっている車両の後ろで延々と止まり続けるしかないのだろうか?

ここは、答えはノーである。実は、道路交通法をよく読むと、第26条の2に、進路変更禁止の例外が書かれている。

「道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき」は、黄色いラインを超えて進路変更をしてもよいとあるのだ。

駐車車両は「その他の障害」にあたる。自動運転でも人間のドライバーでも、駐車車両がいるときは黄色いラインを踏んで車線変更をしても違法にはならない。ただ、ここで問題がひとつある。駐車車両は「その他の障害」であるものの、停車車両は違う。止まっているのが停車中ならば、黄色いラインを超えて進路変更をしてはいけないのだ。

駐車とは「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積みおろし、故障その他の理由により継続的に停止すること」。停車は「それ以外」。人間のドライバーなら止まっている車両を見れば、ドライバーが車内にいるのか、すぐに動きそうなのか瞬時に判断できるけれど、自動運転のクルマはそれができない。

今後、どういう技術があれば、この状況を解決できるのか。大きな課題のひとつである。

道路交通法順守か、通行実態に合わせるべきか

《岩貞るみこ@SIP cafe》

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