DSは2月26日、スイスで3月3日に開幕するジュネーブモーターショー2020において、コンセプトカーの『エアロスポーツラウンジ』(DS Aero Sport Lounge)を初公開すると発表した。
将来のDSのデザイン言語をプレビュー
エアロスポーツラウンジは、DSが将来のEVクロスオーバー車を提案するコンセプトカーだ。エアロダイナミクス性能を高めることを目的に、新しい車両シルエットを導入する。また、インテリアは、ダッシュボード全面をディスプレイ化。わらの寄木細工、サテンコットン、照明付きの立体織り加工など、DSの将来のクラフトマンシップを、コックピットに盛り込んだ。
DSエアロスポーツラウンジでは、高い着座位置、優れた視認性、高いエアロダイナミクス性能、ファーストクラスの快適性などが追求された。独特のプロポーションとボディ形状により、エアロダイナミクス性能を最適化した。全長はおよそ5000mm。急傾斜したルーフラインが抗力を低減する。フロントグリルを通過した空気は、サイドのエアロディテールに導かれる。足元には、大型の23インチホイールを装着した。
フロントには、センサーが取り付けられており、路面状況を読み取り、テラバイトの情報をコンピュータに送信する。「DS MATRIX LED VISION」プロジェクターヘッドライトには、デイタイムランニングライトと「DS LIGHT VEIL」が組み込まれており、将来のDSのデザイン言語をプレビューしているという。DS エアロスポーツラウンジ
ダッシュボード全面が新素材のディスプレイに
コックピットでは、ダッシュボード全面をディスプレイとした。ディスプレイは上下2段に分かれており、サテン綿で覆われた下側のディスプレイには、上側のディスプレイから投影された情報が表示される。この部分に、ナビゲーションやインフォテインメントなどを集約している。
ダッシュボードの全面ディスプレイの左右には、デジタルドアミラーが捉えた映像を表示する。運転に必要な要素は、拡張現実(AR)テクノロジーでフロントガラスに投影される。DS エアロスポーツラウンジ
フロントシートの間のセンターアームレストは、ガイド機能を持つ。乗員の手によるジェスチャーを読み取り、理解し、回答する。米国のスタートアップ企業のUltraleapと技術提携し、ハンドトラッキングと空中ハプティクスを組み合わせた。センサーが各乗員の動きを検出し、小さな超音波スピーカーが得た情報を元に、乗員を認識する。また、人工知能(AI)の「IRIS」がダッシュボード中央に搭載されており、乗員は音声でさまざまな機能をコントロールできる。
フランスの匠の技、「サヴォアフェール」と新しい品質の素材の組み合わせにより、将来のクラフトマンシップを表現した。例えば、ダッシュボードとシートの背面の素材には、わらの寄木細工を採用する。
大型のシートには、サテンコットンの装飾を施した。シートの表面は非常に細かく織り込まれており、高い強度と柔軟性が得られるという。ドアトリムには、3種類の素材のマイクロファイバーを編み上げた織物技術が導入された。複数の透明なストランドが、周囲の光をコックピットにもたらす。DS エアロスポーツラウンジ
0~100km/h加速2.8秒で航続650km以上
エアロスポーツラウンジには、DSのフォーミュラEテクノロジーを導入した最新のEVパワートレインが搭載される。モーターは、最大出力が680hpとパワフルだ。この効果で、0~100km/h加速2.8秒のパフォーマンスを発揮する。床下にレイアウトされるのは、蓄電容量110kWhの新世代バッテリーだ。1回の充電での航続は、最大650km以上の性能を備えている。
<中止> ジュネーブモーターショー2020は中止が決定(2月28日)。