【三菱 eKクロススペース・eKスペース 新型】家族のために進化した、装備、インテリア、マイパイロット

三菱 eKスペースとekクロススペース
三菱 eKスペースとekクロススペース全 16 枚

デザインコンセプトは“SMILES & FREESTYLE”

三菱はスーパーハイト軽ワゴンの『eKクロススペース』と『eKスペース』を発表、3月19日より販売が開始される。『eKワゴンシリーズ』と同様、eKスペースシリーズにもSUVテイストを盛り込んだeKクロススペースが設定された。

三菱デザイン戦略・企画部デザイン・プログラム・マネージャーの大石聖二氏はデザインコンセプトを「SMILES & FREESTYLE」としたうえで、「多様なライフスタイルに対応出来る、そしてワクワクを届ける楽しい軽自動車という想いを込めて開発してきた」という。

三菱 ekクロススペース三菱 ekクロススペース
スーパーハイト軽ワゴン市場には、各社から「カスタム」系と、スタンダードと呼ばれる大きく2種類のグレードが存在する。しかし三菱は従来の『eKスペースカスタム』を廃し、「特徴的かつユニークなeKクロススペースに変える。eKスペースはそのまま継続するが、現行車に比べ、より洗練、リファインされたクルマとし、このふたつの車形で勝負に出る」と話す。

クルマ全体は“スーパールーミーパッケージ”という考えのもと、「見やすく、力強く、堂々として、とにかく広いというところが今回のパッケージの大きなポイントだ」と大石氏。具体的にはエルボールームでプラス23mm拡大。ホイールベースが65mm延長されたことから後席のニールームが+73mm大きくなった。また、エクステリアでは先代に対してテールランプの外郭から外郭までの幅が+80mmと大幅に拡大している。

緻密に作り込んだエクステリア

三菱 ekクロススペース三菱 ekクロススペース
eKクロススペースのデザインの特徴は、「SUVらしさを強調するブラック&シルバーのパーツ。そして三菱らしさを表現したダイナミックシールドフロントデザインだ」。

また、全体の特徴として「タイヤが四隅にあって踏ん張りを感じるスタンス。そしてサイドから見て前後に突き抜ける勢いのある骨格。スリークなキャビンと厚みのあるボディ」とし、これらはeKスペースにも共通するものだ。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
ヘッドライトは3タイプあり、中でもeKクロススペースにオプション設定されたアダプティブLEDヘッドライト(ALH)は特徴的だ。昼間は(表面上部が)通常のメッキの加飾のように見えるのだが、これ自体が夜間に光り、シグネチャーライトのようなイメージに変わる。

そのヘッドランプ周りでは、「手の込んだ作り込みが成されている」という。「緻密に考え、かつ大胆に見えるようなハニカムグリルのデザインや、ボンネットの下にヘッドランプを潜り込ませて隙間が一見ないような造形をしている」と説明した。

見せる収納、隠す収納

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
インテリアデザインは、「洗練された空間性、直感的な使い勝手、おもてなし、気の利いた作り込み。そして豊富なインテリアカラーがポイント」と大石氏。

洗練された空間性は、「フローティングしながら気持ちよくワイドに伸びたインストルメントパネルで、ホリゾンタルアクシスという三菱のインテリアデザインのデザインコンセプトの考え方に則り、水平基調のデザイン構成とした。また前後左右にフラットで広々とした後席フロアがデザインの特徴だ」と述べる。

また直感的な使い勝手では、eKワゴンとeKクロスからの継続として、「シンプルでわかりやすく、コンパクトなデザインとして、直感的にスイッチと表示部が統合されたシンプルかつコンパクトなヒーターコントロールパネルが挙げられる」という。

同時に、「見せる収納、隠す収納、つまり見せるべきものはきれいに見せ、隠すものは美しく隠すという考え方を採用した」とし、これもeKワゴンとeKクロスから継続してデザインされた。具体的には助手席前の引き出し式ティッシュボックスや、センターロアBOXは隠す収納。助手席カップホルダー&センタートレイやセンターカップホルダーは見せる収納とされ、常に楽しくきれいな室内を実現した。

三菱 eKスペース三菱 eKスペース
さらに、先代の後席はふくらはぎ辺りの当たってしまうような位置にヒンジがあったが、新型ではそのようなことがないようにインテグレート(統合)。スライドレバーも使いやすい位置にインテグレートされている。

インテリアカラーでは、eKクロススペースにはレザーオプションを設定。「ブラックとブラウンのコーディネーションにアクセントカラーのオレンジを効かせたアクティブな印象だ」と大石氏。標準ではeKクロススペースはブラックを基調とした「上質でかつスタイリッシュなインテリア」。eKスペースはグレージュを基調とした「リラックス感のあるインテリアと3タイプを選べるようになっている」と述べる。

「新型eKクロススペースとeKスペースは三菱自動車が送り出す新しい軽自動車として、これからのブランド作りにふさわしいデザインと、作り込みを行い開発した。既に発売している『デリカD:5』、eKクロスと並べるとこのコンセプトがより明快にイメージしてもらえるだろう」とコメントした。

三菱らしさを訴求するスーパーハイトワゴン

三菱 eKスペースとekクロススペース三菱 eKスペースとekクロススペース
商品企画として、三菱商品戦略本部CPSチーム奥谷寛子氏は今回の新型車に込めた想いについて、「誰もが欲しくなるスーパーハイトワゴンを作ることだ。基本はすごくいい軽自動車。そこに三菱自動車にしかない、三菱自動車が一番の機能やテイストを加えて、三菱自動車らしいスーパーハイトワゴンに仕上げた」という。

商品コンセプトは、「他社にはない三菱らしさを訴求するスーパーハイトワゴン」とされた。先代eKスペースのコンセプトワードは“楽・空・感”だったが、「良かった点の品質感や仕上げの良さに対して、運動性能が足りなかったり、荷室が狭かったり、安全性能が遅れていたりという欠点があった」と振り返る。

そこで今回は、「居住性が高く、安全性能を強化。またeKクロススペースは頼もしさとしてSUVテイストを付与した」という。

家族のための使い勝手を大幅に向上

ターゲットユーザーは、「一歩先へ踏み出したいマインドを持つ、知的好奇心が旺盛な人」とされた。eKクロススペースは「50代くらいの男性で、子供が成人して自由な時間が増えた、あるいはアウトドアを十分に楽しみたい方」。eKスペースは、「30から40代の既婚女性で子育て中の方。ママ同士でも同じではなく人と違う個性的なものを選びたい。また家族のために安全性を求め快適なクルマが欲しい方」だという。

便利な機能として奥谷氏は、「買い物に行った時に小さな子供が寝てしまって抱っこしなければいけない。あるいは荷物をいっぱい持っていて両手がふさがってしまっていることが結構あるだろう」とシーンを紹介し、その時に便利な機能として、ハンズフリーオートスライドドアが設定された。

これは足をフロア下に差し入れるとそれによって簡単にスライドドアの開閉が出来るものだ。このスライドドアの開口部は、「クラストップレベル(約650mm)で先代より95mmアップ。特に肘や肩が通るところが一番広くなっている」という。足をかけるステップ部分にも配慮され、「より楽に乗り降りが出来るようになった」とのことだ。

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後席のスライド量も「クラストップレベルの320mm(先代より60mmアップ)。また左右分割されており、シートレイアウト次第で様々な使い方が出来る」という。具体的には、「スライド量が長いので後席を一番前までスライドさせておくと、運転席から後ろに座っている子供に手が届く」。さらに便利な機能として、助手席の肩口にシートリクライニングレバーを追加。「これを利用して助手席の背もたれを前に倒すと、より後ろに手が届きやすくなる」という。

その他に後席に人が乗ることが多いスーパーハイトワゴンならではの装備として、「先代から引き続きシートバックテーブルを用意。それに加えて、シートバックポケットを上下に採用した。また助手席の後ろにはスマホやタブレットが充電出来るように急速充電用のUSBポートも搭載されている」とした。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
荷室も後席スライド量が大きいことから、荷室の床面はクラス最大級となり、「他では搭載出来ない大型のスーツケースも積載可能だ」。室内高は1400mm確保。背の小さな子供であれば立って着替えることも可能だ。

先代から引き続き天井に「リアサーキュレーター」が装備された。しかし「(先代は)後付感がすごくあったので新型では小型化しルーフトリムの中に格納。よりスッキリさせた。またスイッチを下面に配置することで前席からも手が届くよう配慮した」と話す。

運転支援技術「マイパイロット」に進化ポイントも

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース
さらに三菱自動車ではおなじみのパドルシフトをターボモデルに採用。「操作感にこだわっており、手の大きさに関わらず誰でも操作しやすい形状とした。このパドルシフトはステアリング側に固定されているので、ステアリング操作中に指が離れずに操作出来る」と説明。

eKクロススペースにはSUVテイストをより強調するために「ヒルディセントコントロール」を装備。三菱の軽自動車としては初めて搭載する機能だ。「急な下り坂や大型のショッピングセンターの二層式の駐車場で、下り坂などでアクセルやブレーキの操作が不要となるものだ。車速範囲は4km/hから20km/hの範囲で設定が可能だ」と話す。

そして安全装備はeKクロスやeKワゴンに搭載されているeアシストに加え、標識検知機能、車両進入禁止と最高速度表示、一時停止を検知。ふらつき警報や先行車発進お知らせ機能、前方衝突予測警報も追加装備された。ミリ波レーダーを搭載することで2台前の挙動を検知。そのクルマが急ブレーキを踏んだ時の玉突き事故を防ぐために、その際は警報音によって認識させる。

そのほかeKワゴンやeKクロスに搭載している機能もキャリーオーバー。運転支援技術「マイパイロット」も採用されたが、進化ポイントもある。ひとつは前方車両を追い越すためにウインカーを出すと車線変更前に加速を開始しより自然に追い越しが出来るようになった。

ワイパー作動時のLOポジションではアクティブクルーズコントロール(ACC)は維持されつつも、レーンキープアシスト(LKA)が解除されていたものが、新型では解除されなくなった。またHiポジションではACC、LKAとも解除されていたが、ACCのみだが維持出来るようになった。最後に車間距離設定がエンジンを切っても初期設定に戻らず前回の設定を保持。これまでよりも進化した設定になったのだ。

三菱 eKクロススペース三菱 eKクロススペース

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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