ホンダの主力コンパクトカー『フィット』が7年を経てフルモデルチェンジ。4代目は、クルマに求められる「心地よさ」を追求すべく開発が行われた。また、同時期に登場した同じくコンパクトカーのトヨタ『ヤリス』との比較も大きな話題を呼んでいる一台だ。
目次
- 4代目は「心地よさ」を追求 価格は155万7600円より
- ここちよく感じる、好きなものを選んでほしい…CMFデザイナー[インタビュー]
- 新型『フィット』にもある「謎の三角形」で走行が安定するって本当?【岩貞るみこの人道車医】
- 単眼カメラとなったホンダセンシング、その実力を体験した
- ルノー&プジョーも参戦!2020年のBセグコンパクトは『ヤリス』と『フィット』だけじゃない
- インテリアは“アイランドキッチン”…インテリアデザイナー[インタビュー]
- 運転して楽しく、乗り心地は良く…開発担当[インタビュー]
- 【ヤリス vs フィット デザイン比較】世界では異端?個性派コンセプトの「黒豆」と「柴犬」
- 【試乗】フランス車の良さを知る人にも満足できる日本車…森口将之
- 【試乗】“未来のコンパクトカー”が身近に感じられる…まるも亜希子
- 【試乗】「クロスター」の追加は“大正解!”…飯田裕子
4代目は「心地よさ」を追求 価格は155万7600円より
ホンダは、コンパクトカー『フィット』を7年ぶりにフルモデルチェンジし、2月14日より販売を開始する。
4代目となる新型フィットは、歴代モデルの優れた性能や、クラスを超えた室内空間・ユーティリティの高さなどを継承しつつ、より満足度の高いクルマへと生まれ変わることを目指して開発。クルマでの移動で求められる「心地よさ」を新たな提供価値として掲げ、ホンダ独創の技術を織り込むことで、4つの「心地よさ」を具現化した。
4代目は「心地よさ」を追求 価格は155万7600円より 画像
ここちよく感じる、好きなものを選んでほしい…CMFデザイナー[インタビュー]
ホンダは3月14日までHondaウエルカムプラザ青山において“ここちよさ展”を開催。これは、新型『フィット』の開発キーワード、“ここちよさ”をもとに行われているものだ。この企画にはCMFデザイナーも参画しているのでフィットのここちよさ等について話を聞いた。
機能価値から感性価値に大きくシフト
ここちよく感じる、好きなものを選んでほしい…CMFデザイナー[インタビュー] 画像
本田技術研究所オートモビルセンターデザイン室プロダクトデザインスタジオCMFデザイナーの落合愛弓さん
新型『フィット』にもある「謎の三角形」で走行が安定するって本当?【岩貞るみこの人道車医】
フィットの謎の三角形
2016年の秋、クルマ業界に衝撃が走った。トヨタ、ご乱心か? なんたって、車両にひと巻き数百円のアルミテープを数センチ、ぺっと貼るだけで空力が向上するというんだもの。「放電用アルミテープでの空力最適化」って、言われても、ねえ。
しかし、実際は本当に向上する。アルミテープには放電作用があるためフロントウィンドやらバンパーの四隅やらハンドルの軸の部分やらに、ぺっと貼ると空気が整うのだ。ゆえに、現在も販売されている車両のいくつかに、しっかりぺっと貼ってある。乗り心地の違いは、わかる人ならクルマを走らせたらすぐに、わかるらしい。らしい、というのは、すみません、私、わからない人だと思うので(実際は、乗り比べしていない)。
新型『フィット』にもある「謎の三角形」で走行が安定するって本当?【岩貞るみこの人道車医】 画像
新型フィットのフロントウインドー上部にある小さな▲(三角)マーク。実はこれには大きな効果があるのだという
単眼カメラとなったホンダセンシング、その実力を体験した
新型ホンダ『フィット』は全グレードに「Honda SENSING」を標準装備にした。全車速追従クルーズコントロールも実現するなど、時代に則った最先端の予防安全性能となっている。その実力を、試乗を通して体験した。
「カメラ+ミリ波レーダー」から「広角化した単眼カメラ」へチェンジ
単眼カメラとなったホンダセンシング、その実力を体験した 画像
ルノー&プジョーも参戦!2020年のBセグコンパクトは『ヤリス』と『フィット』だけじゃない
Bセグメント・コンパクトが熱い!
トヨタ『ヤリス』とホンダ新型『フィット』が相次いで登場し、ここへ来てBセグコンパクトが盛り上がっている。数週間前、ショー自体はコロナ禍で中止の憂き目を見たとはいえ、毎年ジュネーブで発表される欧州COTYに選出されたのはプジョー『208』、つまり欧州Bセグコンパクトの売れ筋モデルだ。
ルノー&プジョーも参戦!2020年のBセグコンパクトは『ヤリス』と『フィット』だけじゃない 画像
インテリアは“アイランドキッチン”…インテリアデザイナー[インタビュー]
新型ホンダ『フィット』のインテリアデザインはエクステリアと同様大幅に変更された。そのコンセプトはアイランドキッチンだという。なぜ大幅に変更され、そのコンセプトが採用されたのか。デザイナーに話を聞いた。
4代目は原点回帰
「初代と2代目、そしてこの4代目では(コンセプトも含めて)そう大きな違いはない」と話すのは本田技術研究所オートモービルセンターデザイン室プロダクトデザインスタジオ主任研究員デザイナーの森康太郎さんだ。その理由は、「フィットはもともと幅広いお客様のニーズに応える、日常の足になるようなクルマとして常に開発がスタートしているからだ」という。
インテリアは“アイランドキッチン”…インテリアデザイナー[インタビュー] 画像
運転して楽しく、乗り心地は良く…開発担当[インタビュー]
ホンダ『フィット』は、“心地よさ”という感性価値に重きを置いて開発された。これは、デザインはもとより走りにおいても同様だ。そこで、具体的にどのようなことを考えて開発されたのか。担当者に話を聞いた。
乗って楽しいクルマには余裕がある
今回お話を伺ったのは、ホンダオートモービルセンター第11技術開発室開発戦略ブロック主任研究員の奥山貴也さん。開発担当の責任者の一人であるとともに、車体の性能領域、運動性能全般、走る、曲がる、止まるという基本領域から、シートやADASに至るまで完成車1台分の性能領域とまさに感性領域を担当した。
運転して楽しく、乗り心地は良く…開発担当[インタビュー] 画像
【ヤリス vs フィット デザイン比較】世界では異端?個性派コンセプトの「黒豆」と「柴犬」
ヤリスは「黒豆」
新型トヨタ『ヤリス』のプロジェクトチーフデザイナー=PCD、中嶋孝之氏は2014年秋にその職を任命された。「最初にひらめいたのは、かつてヨーロッパで見た初代ヤリスだった」と彼は当時を振り返る。
【ヤリス vs フィット デザイン比較】世界では異端?個性派コンセプトの「黒豆」と「柴犬」 画像
【試乗】フランス車の良さを知る人にも満足できる日本車…森口将之
新型『フィット』はフランス車っぽいというコメントを何度か目にしている。フランス車を10台以上所有し、取材では新旧合わせて50以上の車種に乗ってきた筆者も、似たような気持ちを抱いている。
給油口のこだわりにも関心、ドイツ車とは正反対の世界観
フランス車はスペックで表すのが難しいので、個人の主観に基づくところも大きいし、猫足という言葉があるように猫っぽいクルマだと思っているので、愛犬をイメージしたというデザインコンセプトとは方向性が違う。
【試乗】フランス車の良さを知る人にも満足できる日本車…森口将之 画像
【試乗】“未来のコンパクトカー”が身近に感じられる…まるも亜希子
シートの座り心地の良さはコンパクトカー随一
実家には今も初代『フィット』が現役で活躍しており、たまに乗ると「生活者のアシ」としてこれほど優れたクルマはないと実感させられる。
広い視界と車両感覚が掴みやすい運転ポジションでリラックスできること。発進から元気よくキビキビと走り、持て余すほどのパワーはないが不足もしないこと。後席は人が乗るスペースとしても、荷物を積むスペースとしても、どちらにも適していること。そして何より、燃費がいい。これも大事なことだ。
【試乗】“未来のコンパクトカー”が身近に感じられる…まるも亜希子 画像
【試乗】「クロスター」の追加は“大正解!”…飯田裕子
ひとクラス上がった印象すら抱く、新型『フィット』。大胆なデザイン変更を行ったフィットの新世代感は、もう街中や販売店の店先で認識されていることだろう。そのなかでも注目のモデル、SUVルックの「クロスター」が今回の主役だ。
近年のSUV人気からすれば、これがフィットブラザーズに加わったことは“大正解!”。フィットならではのパッケージングや運転のしやすさは健在だし、ユニークな存在感はそれ以上に魅力が感じられるからだ。