カルマの次世代電動車向け車台、「Eフレックス」…量販EVに拡大展開へ

自動運転の商用バンからスーパーカーまで対応する柔軟な車台

蓄電容量80kWhのフラットバッテリーパック

ライドシェアやラストマイル配送向けEVを想定

カルマの次世代電動車向け車台「カルマEフレックス」
カルマの次世代電動車向け車台「カルマEフレックス」全 5 枚

カルマオートモーティブ(Karma Automotive)は5月7日、次世代の電動車向け車台の「カルマ Eフレックス」プラットフォームを、量販EVに拡大展開すると発表した。

カルマオートモーティブは、プラグインハイブリッド(PHV)の4ドアスポーツカー、『カルマ』を製造・販売していたフィスカーオートモーティブの破産後の資産を買収する形で、2014年に米国カリフォルニア州に設立された。現在、カルマ後継車の『レヴェーロGT』などを生産・販売している。

自動運転の商用バンからスーパーカーまで対応する柔軟な車台

カルマオートモーティブが開発しているのが、次世代電動車向け車台のカルマ Eフレックスプラットフォームだ。このプラットフォームは、自動運転のユーティリティバンから、高性能スーパーカーまで、幅広い車種に対応できる柔軟性を備えているのが特長。

カルマオートモーティブによると、カルマ Eフレックスプラットフォームは、さまざまなバッテリーやモーター駆動ドライブシステムをカバーする最大22のバリエーションが展開可能という。カルマ Eフレックスプラットフォームにより、自動車メーカーは開発コストを大幅に抑えて、電動車市場に迅速に参入できるという。

カルマオートモーティブは、この新しいプラットフォームの柔軟性を示すために、カルマ Eフレックスプラットフォームを量販EVに拡大展開する。同社によると、カルマ Eフレックスプラットフォームのローリングシャシーを使用して、カルマの技術的方向性と機能を紹介するために開発された5つのプロジェクトのひとつになるという。

蓄電容量80kWhのフラットバッテリーパック

量販EV向けに「エブリデイBEV」と命名されたEフレックスプラットフォームは、シングルモーター、蓄電容量80 kWhのフラットバッテリーパックを搭載した前輪駆動プラットフォーム、新開発のシリコンカーバイド(SiC)インバーターeドライブシステムで構成されている。この柔軟な電動プラットフォームは、日常走行、公共交通機関やライドシェア、ラストマイル配送などに広く利用できるという。

カルマのEフレックスプラットフォームは、カリフォルニア州モレノバレーにある同社の工場、「カルマイノベーション&カスタマイズセンター(KICC)」で開発されている。すべてのE-フレックスプラットフォームは、市販モデルのレヴェーロGTで実績のあるテクノロジーを搭載する。具体的には、モーター、ギアボックス、サスペンション、サブフレーム、ステアリング、ボディ構造部品などだ。部品は、160万kmを超えるテストと市場での検証を経ている。カルマのノウハウと車両テクノロジーが、各プラットフォームに搭載されている。

ライドシェアやラストマイル配送向けEVを想定

エブリデイBEVプラットフォームは、カルマ Eフレックスプラットフォームの一連の開発プロジェクトの最新の成果だ。最近発表されたカルマ Eフレックスプラットフォームをベースにした電動車には、SAEレベル4の自動運転テクノロジーを搭載したEVバンやEVスーパーカー、およびレンジエクステンダーEVバンがある。

カルマオートモーティブのシャシー開発責任者のマイク・ジョーンズ氏は、「エブリデイBEVプラットフォームの開発における目標は、所有コストを抑えた持続可能なモビリティから恩恵を受けることができるサービス車両、ライドシェアリング車両、ラストマイル配送車両に、経済的なソリューションを提供すること。エブリデイBEVプラットフォームは、都市での使用の際、静粛性などの面において、従来の内燃機関(ICE)車両に比べて多くの利点を実現する」と述べている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る