1955年に登場した初代トヨタ『クラウン』から数えて15代目となる新型は、ユーザーの若返りを図るべく、コネクティビティを強化した6ライトのクーペスタイルのセダンに大きく変更された。また、走りの向上を目指しニュルブルクリンクでの走行テストを行った。
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新型、車載通信機を全車標準装備する初代コネクティッドカー 460万6200円より
トヨタ自動車は『クラウン』をフルモデルチェンジ、新たなモビリティライフを提案する、初代コネクティッドカーとして6月26日より販売を開始した。
15代目となる新型クラウンは、コネクティッドサービスをすべてのユーザーが体感できるよう、車載通信機DCMを全車に標準搭載し、T-Connectサービスを3年間無料で提供する。「ヘルプネット」「eケア」といった安全・安心をサポートするサービスに加え、「オペレーターサービス」をはじめとしたカーライフを快適にするサービスも提供。スマホアプリから目的地登録できる「LINEマイカーアカウント」や、安全・エコな運転度合いをスマホで確認できる「MyTOYOTA for T-Connect ドライブ診断」といった新サービスも開始する。
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【試乗】デザインは女性に歩み寄ってくれたのに…岩貞るみこ
『クラウン』は、男性イメージである。おそらくこれまで、これっぽっちも女性なんてイメージせずに車両づくりも宣伝もしてきたと思われ(していたとしても、微塵も感じられず)、クラウンと言われても相手にされていない身としては、なんだかなあな状況が続いていた。
しかし、今回はちょっと違う。このデザイン。これならちょっと乗ってもいいかも?と、わずかながらに期待がふくらむのだ。
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【試乗】これまでのクラウンとは異質な存在に仕上がった…中村孝仁
これまで『クラウン』のユーザー年齢層は60代だという。『カローラ』よりは少し若いようだが、それでも十分年寄りのクルマである。そんなクラウンのユーザー年齢層を若返らせよう、そんな指令の元作られたのが、15代目である。
実は、従前の購買層は恥ずかしながら僕の年齢と一致する。そして若返りを試みたのは何も今に始まったことではなく、「ゼロ・クラウン」と呼ばれた時代あたりから始まったように思う。しかし、これまではまだ古いオヤジ世代と新たな顧客層のためなのか、ロイヤルサルーン系とアスリート系のボディを明確に分けていた。それが今回、そもそもロイヤルサルーンだのアスリートだのという名称を廃し、同時にボディも1グレードのみとする変更を断行。さらにすでに昨年の東京モーターショーでコンセプトとして出されていたから、ご存知だとは思うが、史上初の「6ライト」デザインでルーフがなだらかに下る、いわゆるクーペ風セダンのデザインを纏って現れたからビックリだ。
「いつかはクラウン」というキャッチコピーの元、昭和の時代はオトーサンが憧れる存在のクルマであった。当時若かった僕は見向きもしなかったクルマなのだが、それが最近は妙に気になる存在になり、時々乗ってみようかな…とさえ思う。この現象は僕が歳を取ったからではなく、クラウンが僕に近づいてきてくれた結果だと信じて疑わない。そして15代目は完全にこれまでのクラウンとは異質な存在に仕上がっている印象を受けた。
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「2つのトラウマ」を乗り越えたのか…ベンツへの挑戦【千葉匠の独断デザイン】
クラウン史に残る2つのトラウマ
1955年に始まったトヨタ『クラウン』の歴史には、デザイン視点で2つのトラウマがある。ひとつは「クジラ・クラウン」と揶揄された4代目(1971~74年)だ。前後を絞り込んだ紡錘形フォルムは空力を考えてのこと。ボディと一体感のあるカラードバンパーを含めて時代を先取りする野心的なデザインだったが、もっとわかりやすく豪華な日産『セドリック』に販売台数で逆転されてしまった。「2つのトラウマ」を乗り越えたのか…ベンツへの挑戦【千葉匠の独断デザイン】 画像
【試乗】輸入プレミアム系にも負けない乗り心地は評価したい…丸山誠
生まれ変わった15代目クラウン
トヨタ『クラウン』は1955年に誕生。日本の高級車をけん引してきたモデルといって過言ではない。だが国内でレスサスブランドを展開してから、その立ち位置は微妙に変化。15代目の新型クラウンは、初代コネクティッドカーとして登場した。【試乗】輸入プレミアム系にも負けない乗り心地は評価したい…丸山誠 画像
【連載・エンジニア視点】秋山晃チーフエンジニアが語る「重責と挑戦」
100年に一度の変革期と言われる自動車業界。これからのクルマはどう変わっていくのか。日本のクルマづくりを支えるエンジニアたちは、何を見据えるのか…。モータージャーナリスト御堀直嗣氏による連載インタビュー企画「エンジニア視点」では、彼らの言葉、想いから、未来のクルマを担う次世代のエンジニアたちへのエールを贈ることができればと考えている。
【連載・エンジニア視点】秋山晃チーフエンジニアが語る「重責と挑戦」 画像
15代目クラウンを手がけたトヨタ自動車の秋山晃チーフエンジニアからのメッセージ
内外装の上質感を高めた特別仕様車「エレガンススタイル」を設定
トヨタ自動車は、『クラウン』の「S(2.0リットルガソリン車、2.5リットルハイブリッド車)」および「S Four(2.5リットルハイブリッド車)」をベースに内外装の上質感を高めた特別仕様車「エレガンススタイル」を設定し、7月8日より販売を開始した。
エクステリアでは、ハイパークロームメタリック塗装の18インチノイズリダクションアルミホイール&センターオーナメントと、メッキ加飾を施したアウトサイドドアハンドルを特別装備。エレガントで高級感のあるスタイリングを創出した。