ベントレー、伝統の「6 3/4リットル」エンジンを生産終了…60年の歴史に幕

1959年に初搭載されてから基本構造は不変

最大出力は537psで最高速は305km/h

過去60年間に3万6000ユニットを生産

ベントレーが6 3/4(6.75)リットルV8エンジンの生産を終了。
ベントレーが6 3/4(6.75)リットルV8エンジンの生産を終了。全 18 枚

ベントレー(Bentley)は6月2日、6 3/4(6.75)リットルエンジンの生産を終了した、と発表した。『ミュルザンヌ』の最終限定車に搭載され、ベントレー伝統の6 3/4リットルエンジンは、およそ60年の歴史に幕を下ろした。

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1959年に初搭載されてから基本構造は不変

ミュルザンヌに搭載される6 3/4リットル(6752cc)エンジンのデザイン、エンジニアリング、ハンドビルドは、すべて英国クルー工場で行われており、現在生産されているV8エンジンの中で最も長い歴史を持つ。この強力なエンジンは、1959年にベントレー『S2』モデルに初搭載されて以来、数十年にわたって幾度となく改良が施されてきた。ベントレーによると、V8の象徴である基本的な構造とサイズはおよそ60年経った今も当時のままという。

この6 3/4リットルエンジンを搭載する最後のモデルが、ミュルザンヌの最終限定車、『ミュルザンヌ6.75 エディションbyマリナー』だ。この限定モデルは、英国ならではエンジニアリングとクラフトマンシップを結実したミュルザンヌの最後を飾るにふさわしい豪奢な仕様になるという。30台のみが限定生産される。

30台の6.75 エディションを最後に、ミュルザンヌは生産終了となる。今後はベントレーの新たな旗艦モデルとして、新型『フライングスパー』がラグジュアリーカーラインアップの頂点に立つ。

最大出力は537psで最高速は305km/h

ミュルザンヌ6.75 エディションbyマリナーは、ベントレーの歴史の中で、ひときわ特別なモデルになるという。ベースとするのは、ミュルザンヌシリーズの頂点に立つ『ミュルザンヌスピード』だ。

ミュルザンヌスピードは、史上最高の超高級セダンを謳うドライバーズカーだ。6 3/4リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを、パワーアップして搭載する。最大出力は537ps、最大トルクは112.2kgmを発生する。動力性能は、0~100km/h加速を4.9秒で駆け抜け、最高速は305km/hに到達する。

ベントレー最後の6 3/4リットルエンジンは、英国クルー本社工場において、7人の専任チームによって組み立てられた。「Lシリーズ」と呼ばれるこのV8は、1950年代にベントレーのエンジニアチームによって設計され、従来の直列6気筒エンジンを超えるパフォーマンスを実現していた。最初にこのV8を搭載したのが、1959年に登場したベントレーS2で、最大出力はおよそ180hpだった。

過去60年間に3万6000ユニットを生産

過去60年間に製造されたLシリーズエンジンは、3万6000ユニットだ。ベントレーの英国クルー本社のエンジンワークショップにおいて、手作業で組み立てられている。エンジンの組み立てには、15時間かかり、エンジンがスムーズに作動するように、バランスのとれたマッチングを行う。充分なテストが行われた後、完成したエンジンには、ベントレーのエンジンスペシャリストのサインが添えられる。エンジンの前面には、サインプレートが付く。

ベントレーの製造担当、ピーター・ボッシュ氏は、「由緒ある6 3/4リットルV8エンジンは、60年以上にわたって主力ベントレー車に動力を供給してきた。長年にわたって、エンジンを手作業で細心の注意を払って組み立ててきた熟練した職人を誇りに思う。今後は、卓越したW12、スポーティな4.0リットルV8、効率的なV6ハイブリッドを軸に、電動化へ舵を切る」と述べている。

《森脇稔》

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