膠着するリニア静岡工区問題に国が乗り出す…静岡県は準備工事再開の容認を

リニア静岡工区椹島ヤードにおける工事状況と準備再開内容。
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国土交通省は7月9日、リニア中央新幹線静岡工区におけるヤード準備工事再開の可否について膠着状態が続いている静岡県とJR東海に対して、「リニア中央新幹線静岡工区に係る国土交通省提案」を行なった。

6月中に西俣、千石、椹島(さわらじま)3ヤードの準備工事を再開できなければ、当初の2027年リニア開業が危うくなるとして、再開容認を求めるJR東海と、準備工事とトンネル掘削工事は一体のもので認められないとする静岡県。6月26日に川勝平太静岡県知事と金子慎JR東海社長が1対1の面談を行なったものの、静岡県は自然環境保全条例に基づく協定締結の是非に基づき判断するとして、態度を保留した。

しかし、その後、静岡県が報道陣に対して準備工事再開を一切認めないとしたことから、JR東海が2回に渡り文書で質問したが、静岡県の姿勢は変わっていない。

これについて赤羽一嘉国土交通大臣は7月7日の会見で、2027年開業の予定は変わっていないとした上で「リニア中央新幹線の早期実現と、その建設工事に伴う水資源と自然環境への影響の回避・軽減を同時に進めることが重要であることは、静岡県、JR東海、そして私たち国土交通省の三者の共通認識であると考えております」と述べ、必要な調整や協力をしっかりと行なう考えを示していた。

そして7月9日には、国交省がJR東海に対して「国の有識者会議における議論等、必要な検討・手続きが終わるまで、トンネル掘削工事に着手しない」、静岡県に対して「坑口等整備の速やかな実施を容認するものとし、7月の早い時期を目途に、必要な手続きを進める」という提案を行なった。

ヤード準備工事は、トンネル掘削工事の前段階で行なわれる、宿舎や事務所などの活動拠点の整備、汚水処理施設や坑口の整備が含まれているが、今回の提案は、これらが水資源や自然環境に影響を与えるものではなく、トンネル掘削には河川法に基づく静岡県知事の占有許可などが必要なことが担保になっているとして、静岡県に対し、再開容認を強く求める内容となっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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