史上最強のポルシェ、911 GT2 RS のピストンを3Dプリンターで開発…最大出力730馬力に向上

3Dプリンターで開発されたポルシェ 911 GT2 RS のピストン
3Dプリンターで開発されたポルシェ 911 GT2 RS のピストン全 11 枚

ポルシェ(Porsche)は7月13日、3Dプリント技術を活用して、『911 GT2 RS』のエンジン用ピストンを開発した、と発表した。

911GT2 RSは、先代の「991型」ポルシェ「911」シリーズの頂点に位置する高性能モデルだ。直噴3.8リットル水平対向6気筒ツインターボエンジンをベースに、可変タービンジオメトリー(VTG)を持つ大型ターボチャージャー、新設計の吸気システムなどを採用した。この結果、ポルシェの市販車としては、史上最強の最大出力700ps/7000rpm、最大トルク76.5kgm/2500~4500rpmを獲得した。

トランスミッションは、専用ギアレシオの7速PDKで、駆動方式はRR(2WD)だ。911 GT2 RSは、0~100km/h加速2.8秒、最高速340km/hというポルシェ史上、最速のパフォーマンスを実現した。

ポルシェは3Dプリント技術を活用して、この911 GT2 RSのエンジン用ピストンを開発した。これは、高い負荷がかかるドライブコンポーネントを、3Dプリンターで開発するという取り組みの成果だ。3Dプリンターでも、荷重に耐える構造を備えたピストンを生産することが可能になったという。

3Dプリンターで開発された911 GT2 RSのピストンは、レーザー溶融法を使用して、高純度の金属粉末から製造された。レーザー溶融法は、高エネルギーのライトビームを用いて金属粉末を溶融させ、スチール層を作り出すものだ。

また、このピストンは、911 GT2 RSの鍛造ピストンよりも10%軽量。ピストンには、従来の方法では成形できなかった冷却ダクトを設けることも可能になった。軽量なピストンのおかげで、エンジン速度を上げ、ピストンの温度負荷を抑えて、燃焼を最適化できるという。これにより、最大出力は700psから730psへ30 ps向上するとともに、効率も高めることができる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  2. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  3. もしも流行の「2段ヘッドライト」がなかったら…!? 一流デザイナーが斬新なフロントマスクを提案
  4. トランプ関税に「ジタバタしない」姿勢のトヨタも、米国市場で7月1日から値上げ[新聞ウォッチ]
  5. 東京外環道、千葉県内の4つのインターチェンジがETC専用に…9月2日から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る