【フィアット 500Xスポーツ 新型試乗】奥行きの増した走り、想像以上に「いいね!」…島崎七生人

フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)
フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)全 16 枚

“新キャラ”の登場。2015年10月の導入以来スモールSUVとしてやってきた『500X』だが、新しく追加設定された“Sport”は、とても素直にその名のごとくスポーティな走りが楽しめるクルマに仕上げられていた。

500Sの4ドアバージョンのような佇まい

外観は、専用バンパーを始め、ボディ色のホイールアーチモール、サイドシルなどが目を惹く。さらにシリーズ最大サイズの19インチアルミホイールと225/40R19タイヤを装着。これらにより、全高などが変わらないにも関わらず、グッと路面を掴むかのような安定感のあるスタンスが印象的で、「もはやSUVというより、スポーティなオリジナルの『500S』の4ドアバージョンか!?」と思わせられる佇まいが目新しい。

フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)
インテリアはブラックレザーのシートが備わる程度で、見慣れた『500X』の空間となっている。フィアット(やアルファロメオ)というと、カタログにも謳われないうちに装備や部品が“いつの間にか仕様変更”されていることが以前はよくあったが、サッと見渡した限り、試乗車ではそういうことはなさそうだ。

7インチタッチパネルモニター付きUconnectは、Bluetoothハンズフリー通話機能や、Apple CarPlay、Android Autoに対応。Siri、Googleアシスタントも利用可能だ。

フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)

フィアットらしさの奥行きが増した走り

そして走り。小数点2位以下を四捨五入すると1.3リットルとなる最新エンジンは、初期モデルの1.4リットルに対しパワーが+11psの151psに、トルクが+4kgmの27.5kgmのスペックを持つ。トランスミッションは従来と同じギヤ比の6速で、デュアルクラッチもこれまでどおりだ。

が、実際に走らせてみると、スペック自体の向上分以上に高回転まで気持ちよく回る回転フィールは、ターボとはいえ、とても1440kgの車重を1.3リットルで走らせているとは思えないもので、そんな快活さが嬉しい。

フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)
さらに専用チューンという足回りにも好感が持てる。今回は箱根の山道での試乗だったが、ちょいスポ(=ちょっとスポーティの意味)に仕上がったフィアット車独特の、軽快ながらしっとりとしたタッチが味わえる。もちろんコーナリング中も外輪をジワッと沈め安定したフォームで破綻がない。

初期モデルがプラットフォームを同じくするジープ『レネゲード』に対しサラッとしたフィアットらしい走りの味を出していたが、その奥行きが増したといえばいいか。白状するとあまり高い期待値を抱かず試乗に臨んだのだが、乗り味、動力性能、それと雰囲気など、クルマ全体のまとめかたが想像以上に上手いと思えた。

19インチタイヤながら、低速から乗り心地がいい点も「いいね!」である。

フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)フィアット 500X Sport(500Xスポーツ)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  2. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  3. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  4. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  5. 『GRカローラ』『フリード』『ソリオ』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が適合
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る