ロータスの速さには後方確認の良さも役立っている…SUPER GT

2号車シンティアム・アップル・ロータス
2号車シンティアム・アップル・ロータス全 15 枚

今シーズン開幕戦では速さを見せながらトラブルに見舞わたが、第2戦では見事にGT300クラスで優勝を果たした、GT300の2号車シンティアム・アップル・ロータス。速さの要因のひとつに後方確認の良さもあるかもしれない。

流麗なクーペスタイルを見せるシンティアム・アップル・ロータス。市販車ならルームミラーとサイドミラーを使って後方確認を行うが、GTマシンの後方は隔壁となりウインドウも存在しないため後方確認はできない。そのため後方確認はサイドミラーとバックモニターで行うが、さらにレーダーで後方を確認している。

先日開催された第2戦富士300kmが幕を閉じてから約1週間後の13日、SUPER GTマシンのオンボード映像やドライバーのインタビュー映像などをYouTubeで公式に配信している、『SUPER GT Official Channel』に数台のマシンのスタートからゴールまでのオンボード映像が配信された。

その中の1台にGT300クラスで優勝した2号車シンティアム・アップル・ロータスの映像もある。シンティアム・アップル・ロータスにはモニターが2つあり、1つはマシンの状態を知らせるモニター、もう1つは後方を確認するためのバックモニターが装着されている。このバックモニターには後方からほかのマシンが近づくと矢印が表示され、速いマシンが迫ってきていることをドライバーに知らせる機能が付いており、その様子は映像から確認できる。このシステムはどういうものなのか、ドライバーの加藤 寛規・柳田 真孝両選手に聞いた。

加藤選手は、「ルマン24時間レースなどでは普通に使われており、複数のクラスが混走し、後ろから速いマシンが来るようなレースでは使われていることが多いですね。以前から知っていて市販品なのですが、ロータスのシステムにも組み込めることが分かったので、2年くらい前から使っています。この表示があると後ろから速いマシンが来た時に、どれくらいの距離で左右のどちらに来るのかが分かるので、混走レースでは非常に便利です。雨が降って後方が真っ白になってもレーダーで感知してくれるので、雨の日では特に有効です。ロータスは左ミラーが左フェンダーの上にあるので、首を動かさなくても視線をちょっと送れば確認できます。ミラーとレーダーで後方確認はしやすいです」と、このシステムが市販化されて海外ではよく使われていることを語ってくれた。

今シーズンからロータスに乗っている柳田選手は「今までいろいろなマシンに乗ってきましたけど、こういう情報が出るマシンに乗ったのは初めてです。最初は信用できるのかな?と思い、ちゃんとミラーで確認していましたけど、今はこのシステムの有用性が良く分かったし、モニターに光って知らせてくれるので、ミラーをちょっと確認すれば良いくらい、その情報を信用して活用しています。でも信用しきって確認を怠ると、実は速い車が急に迫っていたということもあり危険なので、モニターとミラー両方ちゃんと確認しています。GT300同士で争っている時にGT500のマシンが急に迫ってきたときなどにも有効です。GT300はGT500をうまく避けながらレースをしていくのも大事なことですから。」と、数多くのマシンやカテゴリーを走ってきた柳田選手も初めての経験だという。

またチーム関係者によると、「システムとしては少し値段が張る装備になるが、万が一他車と接触してクラッシュした際には、クラッシュの修復代の方がはるかに掛かることもあるので、それ比べれば、、」との声もあった。

GT500とGT300のオンボード映像が、 SUPER GT Official Channelで配信されている。また2020 AUTOBACS SUPER GT Round3 FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACEは、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで22日予選、23日決勝で行われる。

《雪岡直樹》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る