VWのEV『ID.3』、無充電でドイツからスイスまで531kmを走破…公式航続を26%上回る[動画]

バッテリーの蓄電容量は3種類

テスト車両は最大出力204psで蓄電容量58kWh仕様

カタログ数値を100km以上上回る航続を達成

フォルクスワーゲン ID.3 の無充電走行チャレンジ
フォルクスワーゲン ID.3 の無充電走行チャレンジ全 5 枚

フォルクスワーゲンは8月25日、新型EVの『ID.3』(Volkswagen ID.3)がドイツからスイスまで、無充電で531kmを走破した、と発表した。

バッテリーの蓄電容量は3種類

「ID.ファミリー」として、最初に登場したのが、フルコネクテッド機能を備えたコンパクトEVのID.3だ。ロングホイールベースと短いオーバーハングが特長で、内燃エンジンが搭載されていないため、前後アクスルを車両のより外側に配置することを可能にした。

ID.3には、電動車専用に新開発された「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)車台を使用する。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。

ID.3では、バッテリーが他のコンポーネントとともに、車両のフロア下に効率よく搭載される。蓄電容量に応じて、45kWhの「ピュア」、58kWhの「プロ」など、3種類の基本グレードが設定される。

テスト車両は最大出力204psで蓄電容量58kWh仕様

このうち、エントリーグレードのピュアの受注は、数か月遅れて開始される予定だ。蓄電容量45kWh のバッテリーを搭載し、フル充電での航続は最大で330km(WLTP)。電気モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力126psと最大出力150psの2種類の出力レベルから選択できる。

プロは、蓄電容量58kWhのバッテリーを搭載し、フル充電での航続は、最大で420km(WLTP)だ。モーターは、最大出力146psと最大出力204psの「パフォーマンス」の2種類の出力レベルから選択できる。パフォーマンスの場合、最大トルクは31.6kgmで、0~60km/h加速3.4秒の性能を発揮する。

3種類のモデルはすべて、AC(交流)、三相交流、DC(直流)で充電できる。出力100kW または125kWの急速充電に対応している。フォルクスワーゲンは、このID.3のプロの最大出力204psのパフォーマンスグレードを使用して、ドイツ・ツヴィッカウから、スイス・シャフハウゼンまでを無充電で走行するチャレンジを行った。

カタログ数値を100km以上上回る航続を達成

ドイツからスイスへのルートは、一般道と高速道路だ。途中、バイロイトやウルムなどの都市を通過した。ドライバーには、スイス出身の「ハイパーマイラー」こと、フェリックス・エゴルフ氏を起用した。「ハイパーマイリング」という言葉は米国で始まり、効率を最大化し、燃費や電費を最小化する技術で量産車を運転することを指す。

フェリックス・エゴルフ氏は、絶えずアクセルを緩めて、ID.3を巡行させることを心がけた。高速道路では時々、前を走るトラックのスリップストリームを活用した。一方、テスト車両には、カメラマンと技術機器を乗せたことにより、車両重量は約250kgの増加となった。さらに、ナビゲーション、デイタイムランニングライト、ラジオ、空調を使用した。

そして、ID.3はドイツからスイスまで、無充電で531kmを走破した。テスト中の100km走行あたりの消費電力は10.9kWh。カタログ数値の15.4~14.5kWhを上回った。

また、ルートの44%は高速道路で、56%は一般道だった。約9時間かけて走破し、平均速度は56km/hだった。同車のカタログ上の航続は、最大420km(WLTP)。テスト車両はカタログ数値を100km以上、率にしておよそ26%上回る航続を達成した。

チャレンジを終えたフェリックス・エゴルフ氏は、「ID.3は、すべてを備えている。車体はコンパクトだが、室内は広々としており、クールで未来的なデザインと優れた空力性能を持つ」とコメントしている。

《森脇稔》

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