政投銀、背水の日産に巨額の政府保証融資[新聞ウォッチ]

日産自動車グローバル本社(横浜市)
日産自動車グローバル本社(横浜市)全 2 枚

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

大企業向けなどの緊急対応融資を担う政府系の日本政策投資銀行(政投銀)が、再建をめざす日産自動車への融資に巨額の政府保証をつけていたという。きょうの朝日が1面トップで報じている。

記事によると、日産向けの政投銀の融資は5月に決まった1800億円のうち、1300億円について「仮に返済が滞れば8割を国が実質補てんする」という政府保証をつけた契約内容だったそうだ。大企業への融資に対する政府保証はリーマンショック後の2009年には、経営再建中の日本航空でも使われ、政投銀は約670億円を政府保証つきで貸したが、翌年に日航が経営破綻して約470億円の国民負担が生じた例もある。今回の日産の保証額は日航を大きく上回り、過去最大規模となるという。

朝日は「大手企業への融資に国民負担を伴う可能性がある保証をつけるのは、極めて異例な対応だ」とも伝えている。日産の内田誠社長は、再建計画の発表や株主総会の場などで「改善が見えない場合は、すぐに私をクビにしてほしい」との決意を表明するなど、再建に身を投じる覚悟で取り組む姿勢を示している。まるで人気ドラマの「半沢直樹」の場面にも見られるような自身のクビを差し出すことで金融機関からの協調融資をとりつけたようにも見受けられる。それはともあれ、日産が返済を滞らせないためには、何が何でも新型車をヒットさせるしかない。それが“恩返し”でもあるだろう。

2020年9月7日付

●台風180万人避難指示、九州暴風域520ミリ大雨(読売・1面)

●菅氏、厚労省再編に意欲、デジタル庁創設検討、総裁選あす告示(読売・1面)

●日産に政府保証融資1300億円、政投銀、返済滞れば8割国負担(朝日・1面)

●JR駅スタンプ刷新、17年ぶり漢字と地域シンボルで(毎日・23面)

●首都圏の鉄道、昨秋台風で混乱、計画運休今年は大丈夫?(東京・22面)

●社説、EVが開く自動車市場の新たな競争(日経・2面)

●九州新幹線、全線運休へ(日経・2面)

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る