【BMW 2シリーズ グランクーペ 新型試乗】コンパクトBMWの特徴が明確になってきた…渡辺陽一郎

新しい価値を備えるBMWの前輪駆動プラットフォーム

「M235 xDrive」に試乗

コンパクトなBMWの特徴が明確になってきた

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )
BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )全 16 枚

新しい価値を備えるBMWの前輪駆動プラットフォーム

BMWはスポーティな運転感覚を特徴とするブランドで、駆動方式も後輪駆動とこれをベースにした4WDが多い。後輪駆動では、操舵は前輪、駆動は後輪と役割を分けるから、操舵感が駆動力の影響を受けにくい。加速時には荷重が後輪に加わって駆動力の伝達効率も優れ、前後の重量配分も均衡する。

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )
今は前輪駆動車でも上質な走りを味わえるが、後輪駆動は運転感覚がさらに自然で、そこにこだわるのもプレミアムブランドの特徴だ。

その意味でMINIと共通の前輪駆動によるプラットフォームを使うコンパクトな『1シリーズ』と『2シリーズ』は、BMWでは新しい価値を備える。最も注目される車種は、設計の新しい『2シリーズグランクーペ』だ。

「M235i xDrive」に試乗

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )
2シリーズグランクーペは「クーペ」の名称は付くが、全高を1430mmに抑えたセダンで(ドアはマド枠のないタイプ)、全長は4535mm(上級グレードは4540mm)、全幅は1800mmになる。ボディサイズはBMW『3シリーズ』に近い。

試乗すると操舵感が自然な印象だ。前輪駆動を採用した初期の「アクティブツアラー」では、運転感覚を後輪駆動に近づける意図が見受けられて少し不自然だったが、グランクーペでは改善された。試乗した4WDの「M235i xDrive」でも、適度に前輪の駆動を感じて車両の挙動が分かりやすい。

峠道のカーブを曲がっている時などは、アクセルペダルを戻すことで、車両を内側へ向ける操作も可能だ。この時の挙動変化も穏やかで扱いやすく、車両との一体感を得やすい。

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )

コンパクトなBMWの特徴が明確になってきた

3シリーズが後輪駆動の特徴を生かして楽しく運転できるのと同じように、2シリーズグランクーペでも、前輪駆動が備える走りの良さを味わえる。コンパクトなBMWをMINIと共通のプラットフォームを使う前輪駆動に変更した理由は合理化だが、BMWの走りの楽しさは巧みに保たれている。

2シリーズグランクーペの走りには、セダンであることも影響した。セダンは空間効率の優れた車種に比べて重心が低く、後席とトランクスペースの間に骨格があるからボディ剛性も高めやすい。そこが運転感覚と乗り心地に良い効果をもたらした。

グランクーペの登場で、コンパクトなBMWの特徴が明確になってきた。

BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )BMW 2シリーズグランクーペ(M235i xDrive グランクーペ )

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト
1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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