アウディ初のEVスポーツカー、生産準備はVRで…プロトタイプは未使用

e-tron GTの生産準備段階において実際のプロトタイプを使わずに全ての組み立て工程をVRでテストしたアウディ
e-tron GTの生産準備段階において実際のプロトタイプを使わずに全ての組み立て工程をVRでテストしたアウディ全 7 枚

アウディは12月16日、12月9日に量産を開始した初のEVスポーツカーの『e-tron GT』(Audi e-tron GT)の生産準備段階において、実際のプロトタイプを使わずに全ての組み立て工程をVR(仮想現実=バーチャルリアリティ)でテストした、と発表した。

e-tron GT は、『e-tron GTコンセプト』の市販版となる4ドアのEVスポーツカーだ。EVパワートレインは、前後に搭載したモーターが、最大出力590hpを引き出し、トルクベクタリング付き電気4WDの「クワトロ」によって4輪を駆動する。電子制御の4WDシステムは、路面の状態や走行状況に応じて、左右の車輪間だけでなく、前後アクスル間の駆動トルクを調整する。動力性能は0~100km/h加速がおよそ3.5秒で、12秒間で200km/hに到達する。最高速度は240km/h(リミッター作動)だ。

e-tron GTコンセプトには、800ボルトシステムが装備されており、従来のシステムと比較して充電時間が大幅に短縮される。バッテリー容量の80%を充電するのに必要な時間はおよそ20分で、320km以上の航続を可能にした。

アウディは、このe-tron GTの生産に備えて、実際のプロトタイプを使わずに全ての組み立て工程をVRでテストした。アウディによると、e-tron GTは、物理的なプロトタイプを製作することなく製造工程が計画された最初のアウディ車になるという。

現在、e-tron GTの生産現場で実際に使用されているすべて組み立て手順は、社内で開発したソフトウェアとVRアプリを活用して、仮想的にテストを受けたものになる。繊細なパーツの輸送に使用する専用コンテナの一部も、新しい仮想メソッドを使用してプロトタイプなしで製作されたという。

アウディによると、ドイツ・ネッカーズルム工場の従業員は、VRメガネとコントローラーを使用して、すべての組み立てプロセスを仮想的にテストした。アウディは、VRソフトウェアを自社開発し、仮想空間で3次元室内マップを作り出す360度スキャンを可能にした、としている。

《森脇稔》

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