【F1】来季デビューの角田裕毅、「誰よりも奥に突っ込んで曲がる技術に自信あります」…将来的野望は“ハミルトン超え”

今月15日、アブダビでのF1若手テストにアルファタウリから参加した角田(#38)。
今月15日、アブダビでのF1若手テストにアルファタウリから参加した角田(#38)。全 8 枚

21日、来季2021年のF1に「アルファタウリ・ホンダ」からデビューすることが決まっている角田裕毅がホンダ主催のオンライン会見に臨み、今季までの振り返りやF1参戦に向けての意気込みなどを語った。

2000年生まれ、神奈川県出身の角田裕毅(つのだ ゆうき)は2018年にFIA-F4日本シリーズのチャンピオンとなり、翌19年、欧州での戦いをスタートさせた。同年FIA-F3選手権シリーズ9位。今季20年はFIA-F2選手権に初参戦し、シリーズ3位となる大活躍を見せた。今月15日にはアルファタウリ・ホンダからF1若手テスト(アブダビ)に参加、翌16日に来季の同陣営レースシート獲得が発表されている。

「カートを始めたのが4歳の後半で、16歳で本格的にフォーミュラに乗り始めました。カートをやっている頃はF1のことはまったく考えてなくて、目の前のレースに集中したり、次のステップについて考えたりしていましたね」。幼少だったこともあってか、F1は「かけ離れすぎていたので」とも話す角田、そのF1のことを具体的に考えるようになったのは「去年(19年)、レッドブルのジュニアプログラムに加入して(渡欧し)FIA-F3に上がってからです」。

「今年のFIA-F2では、スーパーライセンス(SL=F1参戦に必要なライセンス)の取得(に必要な成績)を目標に戦いました。ヘルムート・マルコさん(レッドブル・ジュニアプログラムを統括する重鎮)からは、『SLを狙って、それが取得できればF1の(レースシート獲得の)チャンスがあるかもしれないよ』と言われていました」

「シーズン序盤は苦しんだところもありましたが、後半まとめあげて、目標を達成できました」。そしてシーズン中から有力視されるようになっていた来季のアルファタウリ入りが決まる(アルファタウリはレッドブルの系列チーム)。「今までサポートしてくれた人たちに感謝したいです」。

今季は自身のメンタルの成長を特に実感しているとも語る角田。しかし、F1のレースドライバーになる契約の際には「テンパってしまい、手汗がすごく多く出ました」と笑う。

自分がレッドブル(アルファタウリ)から特に評価された部分は「一発の速さだと思います」と分析。今季F2で「ポールポジションを4回獲れましたし、そういう面をマルコさんに気に入ってもらえたんだと感じます。あとは、オーバーテイクのスキルも評価してもらえたと思います。一発で仕留められる、というところですね」。

15日のF1若手テストでは初めて今季型のアルファタウリAT01に乗り、「充実した一日でした。ただ、首の筋肉の強化はさらに必要だと感じました」。オフに入ってからは実際にそれを重視してトレーニングを積んでいるそうだ。ちなみにリラックスタイムには友人たちとオンラインゲームをしている、とのことで、世界に20人しかいないF1のレースドライバーになる角田だが、20歳の普通の若者らしい一面も。

F1デビューシーズンに向けては、こんな“戦略”を思い描いている。

「今年のF2もそうでしたけど、ルーキーらしく、シーズン中盤までは自分の攻めるスタイルを貫いて、限界値を探りながら、どこが足りないのかを明確にしていきたいと思っています。もちろん、チームメイト(P.ガスリー=今季アルファタウリでイタリアGP優勝)からも吸収していきたいです。そして後半戦は、(中盤までに)集めたいろんな引き出しを使って成長へとつなげられるように一戦一戦改善していく、そんな流れを考えています」

予定通りなら来季は鈴鹿で日本GPも開催される。「見ていて迫力あるドライビングには自信をもっていますし、僕のオーバーテイクを見てほしいです」。さらに、オーバーテイクにおいて重要な技術にもなるブレーキングに関しての自負を角田は話す。「他のドライバーより奥に突っ込んでいってクルマを曲げる技術に自信があります」。

20~21歳というシーズンでからF1レギュラー参戦を実現できることになった角田、若いだけに将来的な目標も大きい。今年ルイス・ハミルトンがミハエル・シューマッハに並び歴代最多タイとなる7回目のタイトルを獲得したが、角田は「僕の野望はそれを抜くことです」と力強く話す。ハミルトンがさらに記録を伸ばす可能性を考慮すると、角田のF1での目標は“8冠以上”ということになる。初年度にしても、戦うからには「もちろん優勝」を目指す(チームのためにポイントを獲る、という前提もあわせて語っている)。

かつてない大きな可能性を有し、同じように大きな期待を背負ってF1に打って出る日本の新世代ホープ・角田裕毅。まずはF1デビューシーズンの来季、電撃的だった今季F2での活躍の再現を期待したいところだ。

《遠藤俊幸》

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