国土交通省がドラレコ普及の啓発ビデオを作成するほど、ドラレコ普及に力を入れているようだ。
万一の事故の際、それが証拠となる可能性があるだけでなく、近年とみに話題となる煽り運転でも証拠となる可能性があるし、少なくとも言った言わないとか、やったやらないといった押し問答の防止になる可能性は高い。しかしオートバックスの調査によれば、実際に装着している人の割合はまだ2割。装着を検討している人が5割、全く検討していないという人が3割という結果だそうである。これには少々驚かされた。
筆者は2年前からドライブレコーダーを装着している。しかし当時購入したものは前方を映すだけのもので、近年では後方からの煽りや、前の車のドライバーがクルマを止めてこちらに歩み寄り、場合によっては暴行に発展するケースなどもあって、新たなドライブレコーダーを物色していた。
実際最近は多様なドライブレコーダーが登場していて、正直どれを選んでよいか迷う人も多いと思う。単に前方だけを撮影していればよいという人もいるだろうし、筆者のようにあれもこれもと思う人もいるだろう。同時にコスパの問題やら性能の問題やら考え出せばキリがない。価格だけのことを考えれば驚いたことに1000円台からでも存在している。しかしネット通販などでもお勧めと称するものはやはり最低でも3000円台だ。高いものになると4万円台の後半になる。
オウルテックの3カメラ・ドラレコをチョイス
前後カメラ
そうした中、今回チョイスしてみたのはオウルテックの『OWL-DR803FG-3C』というドライブレコーダー。オウルテックというメーカーに馴染のない人も多いかもしれない。そもそもオウルテックという会社はパソコンパーツの製造で興された会社である。ところが今はそのパソコンパーツのみならずドライブレコーダーから果てはポーチやトートバックまで作り出す、マルチな会社に変貌している。
ドライブレコーダーは2015年に初号機を送り出し、今回チョイスしたOWL-DR803FG-3Cは、言わば同社のフラッグシップモデルである。決め手になったのは、前方、後方の撮影に加え室内の撮影も可能とした3カメラであること。いずれのカメラも高精度高画質録画を可能にし、画角の広さも十分、加えてGPSを装備してそれが緊急時の位置情報にも使えるなど、流石にフラッグシップだけのことはあるからだった。因みに室内を撮影するカメラは車両側方も撮影しており、右左折の際の巻き込みなどにも有効である。
さらに専用のビュアーをダウンロードすれば、映像の確認のみならず地図上にドライブの軌跡を表示してくれる他、XYZ軸のGモーメント測定までしてくれるから、万一の事故ではその衝撃の大きさなどもわかる仕組みである。
購入してその場で取り付けもやってもらえるなら話は簡単だが、近年はネットで購入というケースが多い。そんなわけで前回のドラレコ同様、今回も自分で取り付けることにした。3カメラで後方カメラを後ろに持って行くのは結構大変かな?と思っていたが、実際に作業をはじめてゆとりを持って1時間以内に取り付けを完了できた。巣籠り期間のこの時期は時間もたっぷりあるだろうから、DIYには絶好である。
意外と簡単?DIYで取り付けてみた
とりあえず位置決め
取り付け自体は取説通りにすればまあ大丈夫なのだが、問題はその配線をどこにどう通すかである。配線全部露出なんてかっこ悪くていやだ。とりあえず、動作確認を事前にしようということで、シガーソケットと本体を結線してエンジンをかけてみると、ちゃんと映る。ということでまずは本体の取り付けから。
取説ではリアカメラの配線が先になっているが、それは後回しにした。すでに作業をしたことのある人ならわかると思うが、順番としてはまずは本体の位置決め。その後ウィンドーを綺麗にした後で両面テープで本体を取り付ける。次にシガーソケットまでの配線だが、ルーフ先端の内装を少しだけこじってそこに配線を這わす。そのままAピラーのカバーにその配線をねじ込み、ドア下まで一気に持って行く。
配線はこうして内装に潜り込ませる
この時ケースなどを少しこじるのに、プラスチック製のスクレーパーがあれば便利だ。こんな時のためようにカーショップでも販売している。保体をドライバーサイドに取り付けたこともあって、ドア下からセンターコンソールまではフロアカーペットの下を通した。
リアへの配線はコードが余裕を持って8mもあるため、結構大変。通常のクルマなら間違いなく余る。問題はその余った配線をどう処理するかである。本来は正しい長さに切って接続だが、それは大変なので、余ったものをまとめてしかるべき場所に収納しなくてはならない。
このようにガラスハッチの場合はコードのゆとりが必要。
幸いにして筆者のクルマにはルーフに収納スペースがあるのでそこに収納して問題解決。ただ、ミニバンのようにテールゲートが開くモデル、さらにはガラスハッチだけ開くクルマなどの場合は、その開く時のためにコードの余裕を持たせておくことが肝心。
いずれにしても取り付ける前に作業手順を確認して何が必要であるか、どこに取り付けるべきかだけを確認すれば、作業自体は難しいものではないから、DIY感覚で作業は行える。プロに取り付けを任せれば安心だし綺麗な仕上がりになることは間違いないが、下手をするとドラレコ代に匹敵する工賃がかかったりもするから、特にネットで購入するようなケースはDIYに挑戦してみるべきだ。