【レクサス LCコンバーチブル 新型試乗】そろそろまた、いい日本車に戻ってみようか……島崎七生人

「極上の心意気」を嗜む

手厚く補強されたボディ剛性、そして静粛性

ATはコンバーチブル専用にチューン

レクサス LC500コンバーチブル
レクサス LC500コンバーチブル全 28 枚

「極上の心意気」を嗜む

何しろレクサス『LC』のカタログは総ページ124ページと、『LS』の96ページを凌ぐ厚さの立派な装丁で、いかにもこのクルマを嗜むための第一段階といったところ。

財力の話は置いておき、心意気だけなら実際のオーナーの気持ちは十二分に理解できるから、こんなズシリとしたカタログを手にしながら検討できれば、それはさぞ至福のひとときだろう……と思う。

実際にレクサスの開発キーマンのお1人であるIさんがご自身のクルマとしてクーペにお乗りだ。まさしくお似合いだと思うが、年代的に初代『セリカ』あたりでクルマ遍歴をスタートさせ、その後、輸入車もいろいろ経験してきたような年齢のベテランのユーザーが、そろそろまたいい日本車に戻ってみようか……と考えた時に『LC』など候補の筆頭になると思う(と筆者は『LC』を位置づけている)。

“自分へのご褒美”といえば、残念ながら現実の筆者は、せいぜい家電量販店へ出向きコンパクトデジカメを1台を選ぶ程度で精いっぱいだが、もし事情が許すなら、こんなクルマを自宅の駐車スペースに収めたい。

手厚く補強されたボディ剛性、そして静粛性

レクサス LC500コンバーチブルレクサス LC500コンバーチブル
今回の試乗車は『LC500コンバーチブル』。実車は白(ホワイトノーヴァガラスフレーク)と、オーカー内装のみで選択可能というサンドベージュのソフトトップルーフの組み合わせで、非常にすっきりと上品な佇まい。トップは骨組み、複雑なリンク部材がアルミ、マグネシウムで出来ているといい、閉じた状態のキレイな三次元形状も印象的だ。

遮音、仕上げが万全なのはいうまでもなく、開閉はそれぞれ約15秒で完了する(50km/h以下の走行中も作動)が、折々に“タメ”が作られていて、作動中の所作の“しとやかさ”は、クルマの雰囲気をいささかも崩さない。シート表皮がセミアニリン本革の内装は、オーカーのモノトーンでまとめられ、しっとりとした風合い心地いいだけでなく目にも優しい。

レクサス LC500コンバーチブルレクサス LC500コンバーチブル
ソフトトップの開閉時に覗くことができるリヤサスペンションのタワーブレースを始め、下回りにもタスキがけのようにブレースが張り巡らされるほか、接着剤や溶接の打点増しなど、ボディ剛性の確保は手厚く行われていているという。その効果の現れで、走行中のスカットルシェイクは今やほとんど実感しないばかりか、ステアリング、フロアに伝わる振動もほぼ抑え込まれている。

ATはコンバーチブル専用にチューン

レクサス LC500コンバーチブルレクサス LC500コンバーチブル
その上で最新モデルでは(クーペとともに)サスペンション部材の材質変更をはじめ、チューニングもし直されたのだそう。そうしたすべての策が活きて、乗り味、ハンドリングは非常にスムースで洗練された印象。ランフラットタイヤを初めて履かされた2代目『SC』(日本市場での初出時は4代目『ソアラ』)のあの頑なだった乗り時は今や昔……といったところ。

クーペに対し120kg車重は増加しているも、5リットルのV8(477ps/55.1kgf・m)+10速ATの性能はもちろん十二分で、ATについてはコンバーチブル専用にチューンが施されたそうで、クーペとの車重差を補正しつつ変速等の間合いもコンバーチブルに見合ったスムースで、もちろんストレスを一切感じないものとなっていた。

レクサス LC500コンバーチブルレクサス LC500コンバーチブル

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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