定番スタンダードスピーカー『DIATONE・DS-G300』の攻略法、完全解説!

『DIATONE・DS-G300』。
『DIATONE・DS-G300』。全 9 枚

国産実力ブランド“DIATONE”が擁する車載用スタンダードスピーカー『DS-G300』(税抜価格:8万円)。当機が発売されたのは2017年11月だ。以来、高い人気をキープし続けているこの定番モデルの魅力を改めて浮き彫りにするべく、カーオーディオ専門店を取材した。

セットプランに組み込み、積極的にユーザーに訴求!

要請に応じてくれたのは、愛知県豊田市の老舗“サウンドエクスプレス マツデン”だ。同店のインストーラー・熊谷さんに、詳しく話を訊いてきた。

なお“サウンドエクスプレス・マツデン”では、『グレードアッププラン』と銘打ったスピーカー交換のパッケージプランを用意している。で、同プランには計10機種のスピーカーが名を連ねている(セット価格はスピーカーごとで異なる)。そして各セット価格には、スピーカー代に加えてスピーカーケーブル代、ドアデッドニング代(エントリーライン)、インナーバッフル製作代、取り付け工賃も含まれる。『DS-G300』のセットでは、それらを13万7000円(税抜)で手にできる(『DS-G300』は店頭で試聴が可能)。つまり当機は、“サウンドエクスプレス マツデン”にて積極的にユーザーへと訴求しているスピーカーのうちの1つ、なのである。

さて、まずは熊谷さんに、『DS-G300』とはどのようなスピーカーなのかを教えてもらった。

「高音から低音までの繋がりが滑らかです。当機はトゥイーターとミッドウーファーの振動板素材(NCVを採用)が同一である数少ないスピーカーのうちの1つで、そのことがサウンドの一体感の高さに大きく貢献しています。そしてニュートラルな音色傾向であるところも持ち味です。なのでどのような音楽でもそつなく鳴らしてくれます。結果、幅広いジャンルの音楽を聴かれる方から選ばれることが多いです。

価格的には、“ミドルグレード”という位置付けになると思います。ちなみに、スピーカー交換が初めてである方からは5、6万円くらいのモデルが選ばれることが多いので、入門者向きのスピーカーではないのかもしれません。とはいえ、初めての方から選ばれないというわけではありません。当機にまで手を伸ばせば、満足度がさらに上がりますから。というわけで当機は、初級の方からある程度経験のある方までに幅広く使われています」

『DS-G300』のトゥイーターは、取り付け性が良好!

続いては、取り付けに関する攻略法を教えてもらった

「『DS-G300』は取り付け性が高いです。特にトゥイーターは、どのような取り付け方にも対応してくれます。グリルとケースを本体から取り外すことができ、その本体が小型なので純正位置に埋め込むことも可能です。

そしてマウントも付属されていて、ダッシュボード上への“ポン置き”もしやすいです。しかもこのマウントは上下方向の角度調整もある程度行えるので、多少ダッシュボードが傾いていてもベストな角度に設定しやすいです。

ちなみに当店では、トゥイーターをダッシュボード上に“ポン置き”することをお薦めすることは多いです。ダッシュボードの傾きがきつくないことが条件とはなりますが、そうであればトゥイーターから放たれる情報をしっかりリスナーに届けられますから。それでいて取り付けコストも抑えられますし。『DS-G300』は特にこの取り付けスタイルを選択しやすく、その点も大きな魅力となっています。

なお、さらなる高音質化を望まれる方には、Aピラーもしくはドアミラー裏への埋め込み加工をお薦めしています。角度決めを厳密に追い込めますし、強固に固定できますから。『DS-G300』は、その場合にも使いやすいです。当機のトゥイーターはコンパクトなので取り付け場所を選びません。音のことを優先して場所を決められます。

ところで当店では埋め込み加工をする場合、設置場所としてAピラーをお薦めすることが多いです。システムにDSPが組み込まれていないケースでは特に。リスニングポジションから見てより遠くに取り付けられますから、左右の距離差を少なくできます。結果、ステレオイメージを出しやすくなるんです」

ミッドウーファーも取り付け性が高い。しかもクセがないので基本に忠実に取り付ければOK!

ミッドウーファーの取り付け性はどうなのだろうか。

「ミッドウーファーも取り付け性が高いです。ちなみに取り付け奥行き寸法は60mmで際立って薄いタイプではありませんが、一般的な国産車なら大体問題なく内張りパネル内に収まるはずです。

なお、ミッドウーファーの取り付けにあたっては、『DS-G300』だからという特別な注意点はありません。なのでセオリーどおりに普通に取り付ければOKです。

例えばインナーバッフルは強度を稼ぐことが特に重要になりますので、内張りパネル内のクリアランスに余裕があれば厚く作った方が良いですし、クリアランスが限られている場合には金属製のインナーバッフルを使うという手も浮上します。金属製であれば厚さを抑えつつも強度を確保しやすいですから。

“デッドニング”についても、基本に忠実に行えば良いと思います。ちなみに『グレードアッププラン』には、当店においてのデッドニングの基本的なフルメニューが含まれています。『DS-G300』の性能を十分に引き出せる内容を盛り込みました。ただご予算を抑えたいという場合には、もう少しライトな内容にとどめることも可能です。

ところでミッドウーファーについては、“アウター化(スピーカーの取り付け面を内張りパネル面まで立ち上げる手法)”まで行えればベストです。フロント2ウェイシステムではドアスピーカーは広い帯域を受け持ちます。“アウター化”を実行するとその広い帯域の音をダイレクトに車内に放出でき、結果、中低域の解像度がぐっと上がります。

とはいえ、“アウター化”はハードルの高い取り付け方であることも事実ですので、後々の“最後の手段”と考えれば良いと思います。『DS-G300』の性能をとことん引き出したいと思ったときには、この作戦があることを思い出していただきたいですね」

“3ウェイ化”よりも、サブウーファーの追加がお薦め!

『DS-G300』を装着する場合の、システム発展のさせ方についても教えてもらった。

「まず、“3ウェイ化”は考えなくて良いと思います。『DS-G300』は中域をしっかり再生できるスピーカーですし、トゥイーターとミッドウーファーの振動板に同一素材が使われていることも利点ですので、そこに敢えて他素材の振動板が使われたスコーカーを組み入れる必要もないと思うんです。

なので“3ウェイ”化を考えるのであれば、スピーカー自体のステップアップを検討された方が良いかもしれません。その場合のターゲットの筆頭となるのは、同じく“DIATONE”の『DS-SA1000』でしょうね。

なお現実的には、サブウーファーの追加がベストなステップアップ法だと思います。『DS-G300』はふくよかな低音を鳴らせるスピーカーですが、そうであってもサブウーファーで鳴らせるような重低音は出せません。

相性が良いのは言うまでもなく、同じく“DIATONE”の『SW-G50』(税抜価格:8万円)です。当機は振動板素材が同じく“NCV”ですので音色も同一ですし。そして何より当機は再生レンジが広いことも特長ですので、超低音までしっかり鳴らせます。

これを組み合わせるところまでいけば、サウンドに不満を感じられることはまずないでしょう。よほど上を見ない限り、そのまま長くお使いいただけると思います。

当店の店頭でも、『DS-G300』の音をご確認いただけます。ご興味あればぜひお気軽にご来店ください。お待ちしています」

『DS-G300』が良いスピーカーであること、そして扱いやすいスピーカーであることをご理解いただけただろうか。初めてのスピーカーとして、そしてエントリーモデルからのステップアップモデルとしても、『DS-G300』は高いポテンシャルを発揮する。要チェック。

《太田祥三》

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