日産 内田社長「第3四半期黒字のモメンタムを維持」…通期営業赤字は1350億円圧縮に上方修正

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日産自動車が2月9日にオンラインで発表した2021年3月期の第3四半期(4~12月期)連結決算は、コロナ禍の影響などで営業損益は1316億円の赤字(前年同期は543億円の黒字)となった。

しかし、第3四半期(10~12月)のみでは営業黒字に転換しており、通期業績は赤字幅の縮小へ修正した。第3四半期単体のグローバル販売は、前年同期比10%減の108万1000台だったが、第2四半期(7~9月)比では2%の増加と、2期連続でプラスになっている。第3四半期の地域別では、販売正常化への取り組みを進めている米国が新モデル効果もあって10%増の24万3000台と、改善に向かってきた。市場回復が進む中国はほぼ横ばいの38万9000台だった。

販売の質の改善や固定費削減への取り組みにより、第3四半期単体の営業利益は271億円(前年同期比19%増)と、黒字に転じた。第1四半期は1539億円、第2四半期は48億円の赤字だった。第3四半期では前期比での販売減による悪化影響が554億円、為替の円高影響が378億円となったものの、販売費用や固定費などの削減でカバーした。

通期の業績予想は、前提となるグローバル販売を半導体不足などの影響により、従来比で15万台下方修正の401万5000台(前期比19%減)に見直した。北米、中国など全地域で小幅ながら減少へと修正した。販売台数は減るものの、台当たり収益の改善や原価低減などにより、営業損益予想は従来比で1350億円の改善となる2050億円の赤字に修正した。純損益も850億円改善の5300億円の欠損に見直した。

オンラインで記者会見した内田誠社長は、通期の業績予想について「販売計画を下方修正したのは、過度に台数を追わずに収益性を重視するためだ。一方で(23年度までの)中期計画の進捗を反映し営業損益と純損益は改善へと修正した」と説明した。

中期計画では21年度の黒字転換と売上高営業利益率2%の達成を掲げているが「(今期)第3四半期の営業利益率は1.2%となり、まだこの期のみではあるものの十分な回復となってきた。このモメンタムを維持していきたい。来期は(今期投入の)新車効果が通期で効いてくる。コロナ禍や半導体不足などを注視していかなければならないが、来期は新モデルが着実に利益を生み出す」と展望した。

《池原照雄》

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