ナビタイムのマルチモーダルルート検索を搭載、JR西日本観光型MaaS「setowa」のビジョン

【モビリティ勉強会~JR西日本編~】~観光型MaaSの未来「setowa」から始めるこれから~JR西日本(2021年2月16日)
【モビリティ勉強会~JR西日本編~】~観光型MaaSの未来「setowa」から始めるこれから~JR西日本(2021年2月16日)全 24 枚

JR西日本が展開する観光型MaaS「setowa」は、どんなユーザに支持され、どう進化していくか。この setowa にマルチモーダルルート検索機能を提供するナビタイムジャパンが開いたオンラインモビリティ勉強会で、そのヒントがつかめた。

同イベントには、JR西日本 デジタルソリューション本部 MaaS企画室 神田隆 室長、ナビタイムジャパン MaaS事業部 森雄大 部長、同開発部 ACTS(研究開発)ルートグループ責任者 小田中育生 部長が登壇。それぞれが各サービスのトレンドを語った。

まず観光型MaaS「setowa」とは。Web版とアプリ版がある観光型 MaaS「setowa」は、広島県全域、岡山県倉敷市・岡山市、山口県 岩国市、愛媛県 松山市・今治市などを中心とする瀬戸内エリアが対象のサービス。

この setowa で、出発地から目的地までの新幹線に加え、旅先での鉄道・船舶・バス・タクシー・レンタカー・レンタサイクル・カーシェア・シェアサイクルなどの交通機関をはじめ、ホテルや地域観光素材などを、スマートフォンを使ってシームレスに検索・予約・利用できる。

JR西日本は2020年9月、「ニューノーマル時代の移動をサポートする」という触れ込みで、MaaSアプリ「WESTER」をリリース。この WESTER と setowa との違いについてJR西日本 神田室長はこう語る。

「WESTER は日常の移動をサポートする役目。いっぽうの setowa は、非日常の旅をサポートする観光型。今後もユーザの利用状況や特性を把握しながら、日常から非日常へ誘うサービスとして進化させていきたい」

また、この setowa に「NAVITIME」のトータルナビで培ったマルチモーダル経路探索エンジンを API形式で提供するナビタイムジャパンの森雄大 部長は、setowa の将来性についてこう話す。

「いろいろな交通手段をタイムリーに案内することで、密回避につながる。ひとつの交通手段に集中することなく、その人のニーズにあわせて案内することで、移動の分散化が実現する」

「旅を楽しみながら最適なルートを選べて、チケットレス・キャッシュレスも実現するということで、うまく活用すれば、コロナショック後もポテンシャルがあると思う」

たとえば、瀬戸内海に点在する島々など、海を渡る移動が多い瀬戸内エリアは、公共交通手段が限られている。時間帯によっては遠回りしたルートや乗換回数が多いルートが出ることもあった。そこを setowa では、フェリーのデータ整備や、タクシー、レンタサイクルなどを公共交通と組み合わせる、最適なルートを案内してくれる。

「これまでロープウエー情報がなかった場所は、高地にある観光地まで徒歩ルートを案内することがあった。今回は、宮島ロープウェーや岩国城ロープウエー、松山城ロープウエーなど、直接事業者と連携してロープウエー情報を拡充。ロープウエーと徒歩や公共交通手段を組み合わせた、最適な移動ルートを提案できるようになった」

ナビタイムのマルチモーダルルート検索機能を搭載する setowa。JR西日本 神田室長は、そのユーザ像について、「男性61%・女性女性39%、年齢層は多い順に25~34才が26%、35~44才が25%、45~54才が17%、18~24才が14%。アプリ会員が70%、WEB会員が30%で、今後もアプリ会員が増える見込み」と伝えた。

また、setowa の今後のビジョンについてJR西日本 神田室長は「2021年以降に setowa エリア周辺で開催される観光キャンペーンにあわせ、順次エリアを拡大させていく。北陸新幹線敦賀開業にあわせて北陸エリアへの展開や、さらには西日本エリアをカバーする観光型MaaS へとめざしたい。ホワイトレーベル化による提供も検討する」とも話していた。

いっぽうで、JR西日本が展開するMaaSアプリ「WESTER」とも連携を図る考えもあるという。神田室長は、「JR西日本は、改札口利用状況を週単位で集めている。緊急事態宣言などで移動が制限されている時期でも、混雑状況を知らせるサービスを積極的に展開し、快適な移動、楽しい旅を提案していきたい。そのカギのひとつは、アキュラシー(Accuracy:正確さ)」とも話していた。

《レスポンス編集部》

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