マフラー排熱で発電する高効率車載用モジュール、ヤマハがサンプル提供開始

ヤマハ車載用熱電発電モジュール『YGPX024』
ヤマハ車載用熱電発電モジュール『YGPX024』全 5 枚

ヤマハは、自動車排ガスの熱エネルギーから発電できる世界最大かつ最高出力の熱電発電モジュール「YGPX024」を開発し、サンプル販売を3月5日より開始する。

熱電発電モジュールとは、熱を電気に変換する物理現象(ゼーベック効果)を用いた発電モジュール。上下面に温度差が生じると熱電変換材料が起電圧を発生し、これに伴う電力を取り出すことができる。モジュールには機械的な稼働部がないことから無騒音で故障も少ない。加えて、単位面積当たりの出力密度が高く、省スペースで様々な場所に設置できる。

YGPX024は、光通信用ペルチェモジュールで培った高性能熱電材料技術、および高精度実装技術を応用することで動作温度を高温化(最大400度/常用300度)し、出力密度を向上することで、世界最高の出力を実現した。モジュール上下面の温度差が385度の場合に1モジュールあたり143Wもの大電力を取り出すことが可能。自動車搭載を想定した温度条件(高温側285度/低温側100度)でも40Wと高い出力を得ることができる。

また、従来の熱電発電モジュールは、複数の熱電材料を上下に対向する2枚のセラミックス基板で挟持する構造を有するため、動作中の温度差による熱応力に起因しモジュール破損が進行することから、大型化および高温動作に課題があった。今回開発したYGPX024では、独自の応力緩和構造とステンレスパッケージ封止構造を採用。これにより自動車用途では15万km走行相当の負荷に耐えうる高い信頼性を維持しつつ、世界最大サイズまでモジュールの大型化に成功した。従来の熱電発電モジュールの場合、自動車向け用途では数十から数百個のモジュール搭載が検討されていたが、新製品を採用することで大幅な数量削減が期待できる。

熱電発電モジュールの構造熱電発電モジュールの構造

YGPX024は適度な柔軟性を持ち、搭載時に良好な熱接触を得ることができる。これにより搭載時の熱伝導性グリースの塗布が不要となり、また独自のパッケージ封止構造により酸化防止・結露対策が不要となるなど、搭載作業を軽減。熱源と冷却面に挟み、押圧するだけで発電することが可能となる。

《纐纈敏也@DAYS》

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