ホンダ レジェンドとアウディA8も似た者同士?ノンジャンル編【懐かしのカーカタログ】

アウディA8(上)とホンダ・レジェンド(下)
アウディA8(上)とホンダ・レジェンド(下)全 10 枚
似たもの同士シリーズ。今回はノンセクション、ノンジャンルで“雰囲気の共通性”があった懐かしいモデルを取り上げる。

◆スズキ・エリオ/スバル・フォレスター/ボルボV70

スズキ・エリオ
2001年登場の『エリオ』は、1550mmと全高を高くとったコンパクトな実用車で、ほかにノッチバックの3ボックスセダンも設定された。5ドアハッチバックはプレーンなスタイリングのなかで、特徴のあるリヤエンドのデザインがアクセントに。

スバル・フォレスター
一方でその翌年、2002年に登場した2代目『フォレスター』は、200mm(205mm)の最低地上高を確保したオールマイティなAWDで、水平対向2リットルターボも設定し、初代以来のファンな走りが楽しめるクルマだった。で、前述の『エリオ』の翌年登場だったが、リヤゲート、ランプまわりのデザインテーマが似ていたことに、ちょっとした驚きが。

ボルボV70
そして2007年に登場した3代目ボルボ『V70』。あくまでも筆者個人の感想、印象ではあるが、当時のボルボ車ならではの縦長のリヤコンビランプはあるにせよ、リヤウインド左右のラインをすぼませつつ下ろしてナンバープレートを囲むあたりのデザイン、その内側のナンバープレート上のオーナメントが置かれたガーニッシュあたりの構成要素に『フォレスター』との近似性が見てとれた。

◆トヨタ・ポルテ/プジョー1007

トヨタ・ポルテ
初代『ポルテ』の登場は2004年。写真のカタログは2代目で、こちらは2012年に登場している。左側スライドドア、右側は一般的なヒンジ式の2枚ドアという非対称の構成が特徴で、2003年登場の『ラウム』同様、ユニバーサルデザインを意識したコンパクトな実用車だった。

プジョー1007
一方で日本市場には2006年にお目見えしたプジョー『1007』は、その後の“0”を中央に2つ重ねた4桁の車名の最初のモデル。今では4桁はSUVラインだが、3桁のラインに対しユニークなポジションのモデルの位置付けで『1007』は両側にスライドドアを設け、しかも左右とも電動式でキーフォブからの操作も可能だったのが特徴。“カメレオキット”と呼ぶ、18の加飾パーツなどが着せ替え式という遊び心も目を惹いた。

左右ドアの形式に違いはあるが、両車のほぼ同じアングルのカタログ写真を見較べると、互いのモデルを連想しない訳にはいかなかった。

◆日産・プリメーラ/トヨタ・ビスタ(セダン)

日産プリメーラ
『プリメーラ』は“P10”としておなじみの初代で1990年の登場。日本を始め欧州、北米(インフィニティ)など世界市場で展開された。それまでの日産車とは文脈が異なる、セダンとしての基本性能を重視。とくに走りはまさしく欧州調で、筆者も当時の試乗時に高速道路のオフランプのコーナリングで「まるでドイツ車のようなハンドリングと乗り味だ!」の印象をもった。

トヨタ・ビスタ
一方の『ビスタ』は兄弟車の『カムリ』とともに、初代は中級クラスのトヨタ車で始めてFFを採用したモデル。カタログの写真は1994年に登場した4代目のもので、当時のメインは4ドアハードトップだったが、その一方でシンプル指向のセダンも用意。このセダンのプレスドアを用いたキャビンまわりの雰囲気が、当時の流れを採り入れたものとはいえ『プリメーラ』の雰囲気を色濃く感じさせた。

◆アウディA8/ホンダ・レジェンド

アウディA8
日本市場でも1995年から展開されたアウディ『A8』の初代モデル。まだSUV系も4ドアクーペ系も『TT』もなくシンプルなラインアップ構成だったアウディのフラッグシップセダンで、ASF(アウディ・スペース・フレーム)と呼ぶオールアルミ製のボディ構造、4輪駆動装置(=当時のプレスリリースの表現)のクワトロシステム、サルーン初採用のティプトロニックなどを投入。“技術による前進”がスローガンのアウディらしい、ハイテクを身に纏ったモデルだった。

ホンダ・レジェンド
そのスタイル、雰囲気に通じるものがあったのが、やはりホンダのフラッグシップモデルだった『レジェンド』。写真は3代目の後期型で、外観ではグリル形状が初期型との識別点で、FFではあったが、3.5リットルのV6エンジンを搭載し初代以来のジェントルなドライバビリティを実現。サイドエアバッグなどの安全装置もいち早く採り入れていた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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