ルネサス、完全復旧に3~4か月…半導体不足深刻トヨタも減産検討[新聞ウォッチ]

ルネサス那珂工場(300mm製造ライン、資料)
ルネサス那珂工場(300mm製造ライン、資料)全 5 枚

国内の自動車メーカー主要8社が発表した2月の国内総生産台数は、前年同月比9.1%減の約67万台となり、2か月連続で前年割れ。一方、世界生産は、前年に新型コロナウイルスの感染拡大によって、中国などの工場が長期間の稼働停止となった影響で落ち込んだ反動で、3.4%増の約194万台と2か月ぶりにプラスに転じたという。

ただ、半導体大手のルネサスエレクトロニクスの工場火災で生産が停止。半導体不足の長期化が懸念されており、今後の自動車生産に多大な影響を及ぼすのは避けられないとみている。

そのルネサスは火災で停止した那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産が、完全に回復するには、火災が発生した3月19日からカウントして3~4か月先の6月から7月頃になる見通しを明らかにした。

きょうの各紙にも「ルネサス、回復に3~4か月」(日経)、「自動車産業弱点再び露呈、半導体供給網見直し進まず」(朝日)などと、1面や総合面、経済面などに半導体不足が自動車産業に与える深刻さを取り上げている。

このうち、読売は「車、一層の減産必至」との見出しで「1か月分程度の製品在庫が尽きる4月下旬に生産が再開されても、出荷までは時間がかかり、再開から1か月程度は出荷ゼロが続く。装置の交換は6月以降までずれ込み、出荷量が元に戻るには3~4か月かかるとみている」などと伝えている。

また、日経は「トヨタ・日産、減産検討」とのタイトルで、「車で使う半導体は米テキサス州の寒波もあり世界規模で供給難が生じている。『ルネサス・ショック』の余波で2021年4~6月期の世界自動車生産が160万台減るとの試算もある」とも報じた。

トヨタの場合、2月の決算発表時には、半導体不足の影響について「リスクとしてはあるが、足元では減産という状況ではない」とみて、通期の販売台数予想を引き上げた。トヨタでは、少量の部品でも供給がストップすれば減産を強いられるという東日本大震災などの教訓から、サプライチェーンの情報を集約し、供給リスクを知らせるシステム「レスキュー」を構築。半導体についても4カ月程度の在庫を保有しているが、今回のルネサスの予期せぬ火災は、その機能も役に立たないほどの深刻な情勢となっているようだ。

2021年3月31日付

●ルネサス復旧遠のく、6~7月頃車半導体不足深刻(読売・1面)

●スエズ運河「正常に」運航再開(読売・7面)

●円安1年ぶり110円台、米金利上昇、ドル買い進む(読売・10面)

●レクサス電動車販売「25年に50%超目標」10車種以上投入へ(朝日・7面)

●リニア中国がライバル、「交通強国」へ整備計画浮上(日経・8面)

●NTT、セブンに再生エネ、長期契約、脱炭素へ小売りと協業(日経・1面)

●車8社世界生産3.6%増、2月、半導体不足、先行き不透明(日経・17面)

《福田俊之》

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