[カーオーディオユニットの選び方]メインユニットのタイプ解説

メインユニットの一例(ビーウィズ・STATE MM-1D)。
メインユニットの一例(ビーウィズ・STATE MM-1D)。全 3 枚

カーオーディオでは、製品選びも“楽しむべきポイント”のうちの1つだ。当特集では、そこのところをより深く満喫していただくための情報を公開している。今回からは新たな章に突入し、「メインユニット」の選び方を解説していく。

「メインユニット」には、「ソースユニットタイプ」と「複合機タイプ」の2つがある!

今回は、「メインユニット」のタイプ解説をお贈りする。「メインユニット」は、まずは大きく2タイプに分けられる。1つが「ソースユニットタイプ」でもう1つが「複合機タイプ」だ。

前者は、パワーアンプやプロセッサー等の機能を持たず、音楽信号を読み取ることだけに徹するタイプのことを指す。なおこのようなタイプのユニットは、今は少数派だ。具体的には、ビーウィズのルームミラー型リニアPCMプレーヤー『STATE MM-1D』がこれの代表格だと言って良い。

ちなみにかつては、ハイエンドカーオーディオの世界ではこのタイプのユニットが今以上に多く活躍していた。高性能な1DINのCDプレーヤー/チューナーがいくつかあったのだ。それらは音楽信号をよりハイクオリティに読み取りそしてその音楽信号をシステムに供給することだけに専念し、高音質再生を下支えした。

対して「複合機」とは、ソースユニットとしての機能はもとより、プロセッサー、パワーアンプ、そして場合によってカーナビ機能までも有するもののことを指す。で、現在では、こちらの方が圧倒的に機種バリエーションが豊かだ。

なお「複合機タイプ」は、さらに細かく分類できる。まずはざっくり、以下の2タイプがある。1つは「AV一体型ナビタイプ」で、もう1つは「非AV一体型ナビタイプ」だ。

主流となっているのは前者だ。カーナビはもう随分前から多くのドライバーにとっての必需品となっている。ゆえに「メインユニット」も、カーナビであることがスタンダードとなって久しい。

メインユニットの一例(カロッツェリア・DMH-SF700)。

非AV一体型ナビユーザーにとっての大本命、「ディスプレイオーディオ」がますます人気に!

しかしながら、「車載専用タイプのカーナビは必要ない」と考えるドライバーも一定数いる。そのようなドライバーの多くはそもそもカーナビを必要とする頻度が少なく、「もしも必要になったらスマホナビアプリを使えば良い」、そう考えている。そうであるならば「非AV一体型ナビタイプ」の中から選んだ方が、リーズナブルなモデルを手にしやすくなる。

で、「非AV一体型ナビタイプ」の中にもいくつかのタイプ違いが存在している。主には3つに分類できる。「ディスプレイオーディオ」、「1DINメインユニット」、「2DINメインユニット」、この3つだ。

この中で今もっとも注目度が高いのはズバリ、「ディスプレイオーディオ」だ。ちなみにこのようなタイプの「メインユニット」が初登場してからは、まだ10年ほどしか経っていない。比較的に後発なのだが、いざリリースされるとこれがなかなかに人気を博し、年々愛用者が増えている。

というのもこれが登場する以前は、「カーナビは要らない」という選択をすると同時にモニターも失うこととなっていた。しかし「ディスプレイオーディオ」ならそうはならない。バックカメラの映像も映せて映像系ソースも楽しめる。さらにはスマホをミラーリングできる機種であれがスマホナビアプリを車載機のモニターに映し出せ、「Apple CarPlay」や「androidauto」に対応しているモデルであれば車載機の画面上でナビアプリを操作できる。「ディスプレイオーディオ」は、とにもかくにも便利に使える。

メインユニットの一例(三菱電機・ダイヤトーンサウンドナビ)。

「非AV一体型ナビタイプ」の中には、“ハイエンド”なモデルもいくつかある!

続いては「ディスプレイオーディオ」以外の「非AV一体型ナビタイプ」について説明していこう。なおこのタイプは案外種類が豊富だが、使われる頻度は比較的に少なめだ。しかしよりリーズナブルに「メインユニット」を導入したいと思ったら、これらが候補の筆頭となる。

その一方で「非AV一体型ナビタイプ」の中には、カーオーディオ機器として“ハイエンド”なモデルも存在している。具体的には、カロッツェリアの『DEH-P01』と『DEH-970』がそれに該当する。これらは高度なサウンドチューニング機能を有し、さらにはフロントスピーカーのマルチ制御も可能だ。特に前者では、フロント3ウェイ+サブウーファーというハイレベルなスピーカーレイアウトのマルチ制御も行える。

ちなみにカロッツェリアの「非AV一体型ナビ」に属するその他の「メインユニット」の中には、他にもフロント2ウェイ+サブウーファーのマルチ制御が可能な機種がいくつかある。高度なサウンドチューニングを行える「メインユニット」がほしいと思ったら、同社のモデルを物色してみよう。

そして最後、「AV一体型ナビタイプ」についてだが、先述したとおりこのタイプがもっとも使われる頻度が高いがゆえに、製品バリエーションは図抜けて多い。さまざまなブランドから、エントリー機からハイエンド機までが幅広くリリースされている。

なおこのタイプの中には「ハイエンドメインユニット」と呼ぶべきモデルがいくつかある。具体的には三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』とカロッツェリアの『サイバーナビXシリーズ』がそれに該当する。これらは基本的な音質性能がすこぶる高く、サウンドチューニング機能も至って優秀だ。

今回はここまでとさせていただく。次回も「メインユニット」の選び方を詳細に解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

連載「カーオーディオユニットの選び方」詳細解説! Part2「メインユニット編」 その1「タイプ解説」

《太田祥三》

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