京成と北総が列車無線をデジタル化…携帯電話と同じ方式へ移行 4月17日から順次

北総とともに列車無線がデジタル化された京成。写真は3000形。
北総とともに列車無線がデジタル化された京成。写真は3000形。全 4 枚

京成電鉄(京成)と北総鉄道(北総)は4月17日、デジタル方式の列車無線を導入した。

列車無線は、異常時における乗務員と輸送指令とのやりとりのほか、異常を知らせる信号を発報することで周辺の列車を緊急停止させ事故の拡大を防ぐ役割も持っているが、従来は線路脇に設置した「誘導線」と呼ばれる電線と車両に設置されたアンテナとの間で通信を行なうアナログ方式となっていた。

そのルーツは1925年に東海道本線大井町~小田原間で長波(LF波)を使ったものだと言われており、1930年代に入ると超短波(VHF波)を使った試験が、1995年9月に廃止された北海道の深名(しんめい)線などで実施されたが、これらは試験的要素が強く、実用上は1950年代に操車場の入換え作業に使われた150MHz帯のVHF波が最初と言われている。

1950年代後半に入ると列車無線は車内公衆電話を中心に飛躍的に発展。業務用としては1964年に開業した東海道新幹線に400MHz帯の極超短波(UHF波)が導入され、1970年代に入ると300MHz帯のUHF波が国鉄の在来線にも導入されている。

私鉄では1960年代後半から150MHz帯のVHF波が普及し始め、京成では1969年、北総鉄道では1978年から導入されたが、アナログ方式は混信や傍受などの問題もあり、JRでは2000年代初頭から相次いでデジタルへ移行。京成と北総では「より高品質な通話の実現と円滑な情報伝達が可能となり、異常時対応の迅速化」を図るためとして、携帯電話と同じような無線基地局を設置し、空間波で列車と通信をやりとりするデジタル方式の整備を2018年度から進めてきた。

両社のデジタル無線は準備が整った車両から順次使用を開始しており、「今後もお客様により安心してご利用いただける鉄道を目指し、輸送の安全確保に努めてまいります」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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