シリーズ統合で劇的に進化! HKSのストリートユース車高調整式サスペンションキット「ハイパーマックスS」の“走り心地”を体感

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シリーズ統合で劇的に進化!HKSのストリートユース車高調整式サスペンションキット「ハイパーマックスS」の“走り心地”を体感
シリーズ統合で劇的に進化!HKSのストリートユース車高調整式サスペンションキット「ハイパーマックスS」の“走り心地”を体感全 20 枚

HKSのストリートユース車高調整式サスペンションキットである「HIPERMAX(ハイパーマックス)」シリーズのリニューアルが進行中。今後は車種別に86種類をラインナップ、さらに130以上のイヤーモデル対応に向けて2021年の3月~6月に続々とリリース予定だ。

今回は4月に発売予定のアルファードのキットを装着したデモカーに試乗。ノーマルではやや物足りない足回りのアルファードの走りがどう変化するのか、実走インプレッションで徹底検証する。

4シリーズを統合することで、特性に合わせた進化を実現

従来のマックスIV GT、マックスIV GT 20 SPEC、マックスIV GT Spec-A、S・スタイルLの4シリーズを統合、新たに「ハイパーマックスS」となる予定で、現在進行形となっている。

なぜ、この4シリーズを統合することになったかといえば、それぞれのサスペンションキットが持ついい部分を1つにまとめることができたからにほかならない。つまり、4シリーズの“いいとこ取り”を行ったのが「ハイパーマックスS」というわけだ。

例えば、レーシングユースのサスペンションキットならば、富士ではショックアブソーバーはA、スプリングはBの組み合わせ、鈴鹿ならショックはそのままでスプリングレートを変更、筑波はショックもスプリングも別のセットで……などということが普通だが、ストリート用ショックは市街地と峠でセットを変えるなどということはない。そこで4シリーズのいいところ取りをして、1タイプに統合したというわけだ。

搭載されているアドバンスドバンプラバーは衝撃緩衝装置としてだけではなくチューニングパーツとしても活用されている搭載されているアドバンスドバンプラバーは衝撃緩衝装置としてだけではなくチューニングパーツとしても活用されている

この統合を可能にできたのは各パーツの進化によるものだ。ショックアブソーバーには数多くのショートパーツが使われているが、そうしたショートパーツひとつひとつの性能が向上したことで、従来それぞれのシリーズが持っていた特徴を「ハイパーマックスS」に集約できたのだという。

HKSではこの「ハイパーマックスS」のキャッチコピーとして“ストリートオールマイティ”という言葉を当てている。大多数のユーザーが、これでいいと満足できる製品にしたという。従来の4つのシリーズではどれにしようか迷ったユーザーも多いだろうが、これからはHKSのストリート車高調ならこれとなり、ユーザーも迷うことなく購入に踏み切れるだろう。

スプリングの上下にはサイレントチューブが取り付けられ、乗り心地と静かさに寄与しているスプリングの上下にはサイレントチューブが取り付けられ、乗り心地と静かさに寄与している

前述のように「ハイパーマックスS」はさまざまなパーツの刷新によって、卓越した性能を確保している。なかでもショックアブソーバーのフリクション低減は性能向上に大きく貢献している。フリクションを低減した結果、ショックアブソーバーの動きがよくなったことで、安定感を高めるためのバネレートをアップすることが可能になったという。

通常、バネレートアップを行うと乗り心地が悪くなるものだが、「ハイパーマックスS」はショックアブソーバーの動きがスムーズなので、乗り心地には大きく影響していないというのだ。HKSではファミリーユースが想定される車種の場合、開発段階の最終セッティングにおいて開発部以外の社員(男女問わず)もセカンドシートやサードシートに乗って乗り心地をチェック。ダメ出しが出た際は、セッティングをやり直しているという。

減衰力は30段階で調整が可能減衰力は30段階で調整が可能

ショックアブソーバーの減衰力は30段階に調整可能だ。従来は減衰力調整ダイヤルを緩めていくと、開度に比例して調整幅が曖昧になる傾向にあったが「ハイパーマックスS」では、ワイドレンジニードルを採用したことでほぼ等分に調整が可能となった。また、ワイドレンジニードルの名のとおり調整幅も拡大されている。とくにソフト方向への調整幅が拡大されているので、乗り心地を求めるユーザーには嬉しいセッティングだ。

その乗り心地に大きく貢献しているのが、デュアル・プリロードバルブ・システムと言われるパーツ。ショックアブソーバーの内部ではオイルによって減衰力を発生させている。このオイルの通り道にバルブやオリフィス(オイルが通過する穴)を配置し、減衰力を調整している。
Dual PVS:デュアルプリロードバルブシステム採用で、伸び側の特性をスムーズにしつつ無駄な動きは抑えることで、路面に吸い付く走りを実現Dual PVS:デュアルプリロードバルブシステム採用で、伸び側の特性をスムーズにしつつ無駄な動きは抑えることで、路面に吸い付く走りを実現

デュアル・プリロードバルブは伸び側がスムーズに動き、縮み側の減衰力が素早く立ち上がるセッティングが可能で、路面追従性の確保と乗り心地の両立を実現している。さらにバンプラバーの材質、サイズなどを最適化することで、フルバンプした際の安定化が図られている。

HKSはショックアブソーバーについて2年、4万kmの保証を行って来たが、今回の「ハイパーマックスS」は内部パーツ、内部構造の刷新を行ったことで耐久性が向上、保証期間が3年、6万kmに伸ばされている。この保証期間延長が可能となったのは、耐久試験機などの同社の設備が更新されたことが挙げられるが、こうした台上試験だけではなく実走行による確認もしっかり行っているからこそ。サスペンションキットは装着してしまえば外からは見えなくなってしまうパーツだが、アルミのアッパープレートを採用するモデルには、レーザーマーキングによるロゴの刻印と端部の面取り加工を施すなど高級感もプラスされている。

絶妙なセッティングを実現したデモカー、低いスタイルと誰もが感じる乗り心地の良さを実現

ハイパーマックスSを搭載したトヨタ アルファードハイパーマックスSを搭載したトヨタ アルファード

この「ハイパーマックスS」が装着されたアルファード(現行前期型、3.5リットルFFモデル)に試乗した。ショックアブソーバーのセッティングはフロントが30段中の真ん中となる15段、リヤが少し硬めの12段(数字が小さいほど減衰力が増す)、スプリングはフロントが7kg/mm、リヤが9kg/mm。車高はフロントがマイナス40mm、リヤが33mmというセッティングだ。

装着タイヤは横浜ゴムのエイビッド・エンビガーでサイズは245/40R20だ。アルファード、ヴェルファイアに大径ホイール&インチアップタイヤを装着している人は多いと思うが、ノーマルサスのままでインチアップした場合や、タイヤを太くした場合、まったくサスがついてこない体験をしているはずだ。アルファード&ヴェルファイアのノーマルの足まわりは乗り心地を重視した柔らかめなセッティングで、タイヤをグレードアップしていると足まわりの柔らかさが際立ってしまう。

リクエストに応えてもらい、わざとロールするように走ってもらっても驚きの安定感を見せたカーブに進入しても驚きの安定感を見せた

しかし、今回の「ハイパーマックスS」と20インチタイヤの組み合わせは絶妙のマッチングであった。とくにコーナリングの安定感はバツグンで、普通にミニバンを走らせるペースではロールは最小限に抑えられ、スーッとコーナーをクリアしていく。この記事で使っている走行写真がロールしているのは、回転半径の小さいカーブに制限速度の範囲内で高い速度域から進入したからだ。

それでも写真のレベルが限界で、実際はほとんどロールせずにコーナーをクリアしていく。ノーマルサスでグリップが高いタイヤを履くと、タイヤが頑張るぶんサスペンションが動いてしまい、結果ロール過多になりがちだが、タイヤとのマッチングも含めてコーナリングのよさが光る。ミニバンのコーナリングにありがちなグラッとした感覚は皆無だ。

しっかりと路面を捉えて旋回性も高く、スムーズで乗り心地の良さは特筆モノしっかりと路面を捉えて旋回性も高く、スムーズで乗り心地の良さは特筆モノ

ここまで安定したコーナリングだと乗り心地が犠牲になりそうなものだが、乗り心地もかなりいい。微少な段差に対してはタイヤのハイトが低い部分が影響して、コツコツとした感触が伝わってくるが、しっかりとダンピングが効いた乗り心地は安定感があって気持ちがいい。ショックアブソーバーの伸び側減衰力が低く、縮み側減衰力が高いので、タイヤがスッと路面を掴みにいくのだ。段差乗り越えのときなどはグッと動きが抑えられるが、そこにカドばった感触はない。特に速度が上がっていったときの安定感は高く、路面のうねりなどを上手に越えていく。

ピタッと路面を捉えて段差での吸収も素早く収めていたピタッと路面を捉えて段差での吸収も素早く収めていた

アルファードのノーマルタイヤは17インチ、もしくは18インチなので、今回は2~3インチアップされたタイヤでの試乗となった。アルファードのノーマルサスの性能を考えると、インチアップ時にはサス交換は必須で、そのマッチングは非常に高いものであった。また、ノーマルサイズのタイヤでもう少し引き締まった乗り心地が欲しいという方にもおすすめできるフィーリングを持っているのが「ハイパーマックスS」。30段の減衰力調整を活かせばベストセッティングを見つけることができるだろう。

また、「ハイパーマックスS」は、注文時にスプリングレートを無料で変更できる(直巻および直巻樽型で推奨範囲の場合、一部車種を除く)ほか、有料で減衰力の調整も可能。ショップで相談しながらスプリングレートや減衰力をオーダーすれば、様々なセッティングを引き出すことができる。まさに基本的にはこれでいいと満足できる“ストリートオールマイティ”なサスペンションキットであるといって間違いないだろう。

上質な“走り心地”が体感できる!HKS HIPERMAX Sの詳細はこちら

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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